過去の貴重書展示

【2012年秋】

第7回貴重書展 "「癒し」と植物"(2012.9.18-2012.11.30)

 ※展示は終了しました。

癒し1 癒し2

「癒し」。少し前からよく耳にするようになったこの言葉は、心を和ませ気持ちを穏やかにするといった、主にメンタルな意味で使われています。

一方、日本では昔から「病は気から」と言います。一般には「病気は気の持ちようで、重くもなるし軽くもなる」という意味で使われますが、本来は東洋医学で言うところの「気」の流れが滞ると病気になるという意味であると言われます。

いずれにしても、心や精神の状態を整える事と体の健康を保つ事とは、互いに深くかかわっていると言えます。

癒し3


古来より、ハーブや漢方薬としては勿論、西洋医学における薬の原料としても、私たちは植物の力を借りてきました。動物や鉱物など、薬になるものは他にもありましたが、日常的に最も多く用いられたのは植物です。

先人たちは身の回りの種々の植物の薬効を調べ、用い方や保存方法などを検証し、そうして得た知識を長く伝えてきました。

今回の展示では、そんな「心と体に優しい植物」と人との長い付き合いを、東西の書物をもとにご紹介します。

●展示予定資料
 『本草綱目啓蒙』『朝鮮人参耕作記』『Medical botany...(薬用植物誌:イギリス)』等

 *貴重書展チラシ   PDFファイル

 *展示資料目録   PDFファイル

 *展示パネル一覧(和)    PDFファイル

 *展示パネル一覧(洋)    PDFファイル

展示の様子1 展示の様子2 展示の様子3 展示の様子4

【2012年春】

第6回貴重書展「おいしいしょくぶつ」(2012.3.1-2012.5.12)

 ※展示は終了しました。

おいしい1 おいしい2 おいしい3 おいしい4

古来より、「植物」は人間にとって最も身近な「食べ物」でした。
野菜や果物はもちろん、ご飯やパンなどの主食からコーヒー・紅茶、お酒などの嗜好品に至るまで、私たちは植物をそのままで、或いは様々に加工して日々口にしています。もちろん、私たちは肉や魚も食べますが、それらの生き物を養うのも元をたどれば植物です。大昔に人間の歴史がスタートして以来ずっと、私たちの生命を保つための食物の基礎は植物であり、その栽培=農耕の開始は人間の文明への第一歩でもありました。
今から一万年ほど前、農耕が始まるのと同時に、植物の品種改良も少しずつ始まりました。より栽培効率が良く人間にとって「おいしい」植物を探求し、そうして得られた新しい植物は、大切に守られて陸を伝い海を渡って地球上の各地に広がりました。小さな島国である日本にも、古来、中国大陸から、はたまた東南アジアから、様々な植物が伝えられ栽培されてきました。
今回の展示では、江戸時代から明治期にかけての書物に登場する「食べる」植物について、その栽培の歴史や食べ方をご紹介します。

●展示予定資料
 『本草図譜』『農業全書』『成形図説』『有用植物図説』等

●番外編「おいしいおかず ~江戸時代の献立いろいろ~」…『広益秘事大全』『甘藷百珍』等

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 *展示資料目録   PDFファイル

 *展示パネル一覧    PDFファイル

 *再現献立のレシピ   PDFファイル
   『広益秘事大全』(三松館主人著 嘉永4)の献立案と、『甘藷百珍』(珍古楼主人編 寛政1)から一部の料理を再現し、作成したレシピです。

展示の様子1 展示の様子2 展示の様子3 展示の様子4

【2011年夏】

第5回企画展「咲き誇る花々(貴重書で見る東西の植物画 一・二年草編)」
(2011.7.19-2011.9.30)
※夏季休業日(8月12・15・16日)は休館

 ※展示は終了しました。

一年草1 一年草2 一年草3 一年草4

パンジー、マリーゴールド、ペチュニア、朝顔、ヒマワリ、コスモス…。
庭や街路沿いのプランターなどで色鮮やかな花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれる、おなじみの花々です。これらは1・2年草と呼ばれる植物で、タネから芽吹いて花を咲かせ、またタネを残して枯死するというサイクルを1~2年という短い期間で繰り返します。
樹木や多年草と違い、1・2年草にとっては、タネを残す事が子孫を残すための唯一の手段です。確実に多くのタネを残すため、たくさんの花を出来るだけ長く咲かせるように進化しました。
こうした性質を利用して数々の園芸品種が生まれ、一方そのライフサイクルの短さなどが研究にも適しているという事から、自然科学の分野でも大いに注目されています。
今回の展示では、東西の植物画の中から、色とりどりの園芸種の花々や身近な雑草など、短い一生の中で懸命に花を咲かせる1・2年草をご紹介します。

※1・2年草、多年草の区別はその土地の気候条件によって異なります。

●展示予定資料
『本草図譜』『朝顔画報』『Curtis's botanical magazine(カーティス・ボタニカルマガジン:イギリス)』『Phytanthoza-Iconographia(花譜:ドイツ)』等

●番外編「園芸熱~植物の栽培~」…『草木育種』『The cottage gardener(イギリス)』等

 *貴重書展チラシ   PDFファイル

 *展示資料目録   PDFファイル

 *メモ用紙   PDFファイル  *一筆箋   PDFファイル
 研究所内で撮影した一・二年草の写真をあしらったメモ用紙と一筆箋です。印刷し切り離してお使いください。

展示の様子1 展示の様子2 展示の様子3 展示の様子4

【2011年春】

第4回企画展「四季の花木(貴重書で見る東西の植物画 第二弾)」
(2011.3.1-2011.5.14)

 ※展示は終了しました。

花木1 花木2 花木3 花木4

「花木(かぼく)」。美しい花を咲かせる木々をこう呼びます。
あまり馴染みのない言葉に思えますが、実は私たちの周囲には花木があふれています。
梅や桜、紫陽花、金木犀に椿…。名前を聞いただけで、その花の咲く季節を思い浮かべるのではないでしょうか?花屋の店頭に1年中いつでも色鮮やかな花々が咲き乱れている現代では、そこから季節を感じる事は難しいですが、戸外で花開く木々は季節を偽る事がありません。
日本に暮らす私たちにとって、花木は四季を彩る重要なアイテムなのです。
こうした日本の花木は江戸時代以降西洋にももたらされ、人気を博しました。
今回の展示では、西洋や日本の植物画の中から、そういった季節感あふれる木々を四季を追ってご紹介します。

●展示予定資料
『本草図譜』『質問本草』『怡顔斎櫻品』『Curtis's botanical magazine(カーティス・ボタニカルマガジン:イギリス)』『L'illustration horticole(挿画入り園芸雑誌:ベルギー)』『Atlas der officinellen Pflanzen(薬用植物図譜:ドイツ)』等

●番外編「東西の庭園」…『餘景作り庭の図』『Revue horticole(園芸雑誌:フランス)』等より

※一部展示替えがあります

 *貴重書展チラシ   PDFファイル

 *展示資料目録   PDFファイル

 *メモ用紙   PDFファイル  *一筆箋   PDFファイル
 研究所内で撮影した花木をあしらったメモ用紙と一筆箋です。印刷し切り離してお使いください。

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【2010年夏】

第3回企画展「貴重書で見る東西の植物画 多年草編」(2010.7.20-2010.9.30)

 ※展示は終了しました。

多年草1 多年草2 多年草3 多年草4

古来より植物の図は、洋の東西を問わず薬草を見分けるために描かれていました。
西洋では、18世紀以降、植物学的な正確さを保ったまま芸術性も併せ持った植物画が発展していきます。日本でも、江戸時代に独自の植物画が発展し、やがて西洋の影響を受けた植物画が描かれるようになりました。
そんな東西の植物画の中から、多年草を選んでご紹介します。
写真では味わえない魅力に触れてみてください。

●展示予定資料
『Phytanthoza-Iconographia(花譜)』『Curtis's botanical magazine(カーティスボタニカルマガジン)』『Handbook of the British flora(英国植物誌便覧)』『本草図譜』『花彙』『草木花実写真図譜』『植学啓原』等

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 *展示資料目録   PDFファイル

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【2010年春】

第2回企画展示「貴重書で見る江戸・明治の食」(2010.3.1-2010.5.15)

時代劇でなにげなく目にする食事風景。登場人物たちはどんな料理を食べているのでしょう?
彼等が食べているものと現代の私たちが食べているものは、どのくらい共通していて、また違っているのでしょうか?
今世界中で人気の日本料理は、江戸時代に完成したと言われています。しかし一口に「江戸時代」と言っても300年近い開きがあり、食の在り方も初期と後期では随分違います。人口の増加や流通の発達といった様々な要因を背景に、江戸時代全般を通して日本の食は大きく発展し、やがて明治維新を経て更に大きな変貌を遂げたのです。
そんな、知っているようで知らない江戸・明治の食生活について、当時の資料を手掛かりにご紹介しました。

 *貴重書展チラシ   PDFファイル

 *展示資料目録   PDFファイル

 *豆腐料理のレシピ   PDFファイル
 『豆腐百珍』(酔狂道人何必醇編 天明2年)から一部の料理を実際に作り、作成したレシピです。

展示の様子1 展示の様子2 展示の様子3 展示の様子4

【2009年夏】

夏の特別展示「貴重書で見る江戸・明治の朝顔」(2009.7.27-2009.9.30)

朝顔と聞いてどんな花を思い浮かべるでしょうか?
今から約200年前の日本で、風変りな朝顔が見られるようになりました。花の色や形、葉や茎の形などが様々に変化していて、一見朝顔には見えないような不思議な花々です。
これらはすべて朝顔の突然変異体で、トランスポゾンと呼ばれる動きまわる遺伝子の働きで起こったものであるという事が現在では分かっています。
江戸時代の後期に出現し始めたこれら「変化朝顔」はマニアの間で珍重され、江戸から明治・大正にかけて3回の大きなブームがあったと言われています。
この展示では、当館で所蔵する朝顔図譜を中心に、江戸時代から明治時代まで、多様な変化を見せた朝顔を時代を追ってご紹介しました。

 *貴重書展チラシ   PDFファイル

 *展示資料目録   PDFファイル

展示の様子1 展示の様子2 展示の様子3 展示の様子4