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液胞膜に局在するハーフサイズのABCトランスポーターがアルミニウム耐性に必要

[著者] Chao-Feng Huang, Naoki Yamaji, Zhichang Chen and Jian Feng Ma

[論文タイトル] A tonoplast-localized half-size ABC transporter is required for internal detoxification of aluminum in rice.

[掲載論文] Plant Journal 69: 857-867 (2012)

[内容紹介]
イネはイネ科作物の中でアルミニウム耐性が最も高い種として知られ、この強いアルミニウム耐性は多重の耐性機構によって制御されていることが最近我々が同定した転写因子ART1 によって明らかにされている。ART1は新規のC2H2型転写因子で、下流に30個近くの遺伝子を制御している。本研究では、そのうちのOsALS1の機能について解析を行った。OsALS1はハーフサイズのABCトランスポーターをコードし、根と地上部で発現していた。しかし、根での発現量は短時間のアルミニウム処理で誘導されたのに対し、地上部での発現は影響されなかった。OsALS1は根のすべての細胞に発現し、しかも液胞膜に局在していた。OsALS1遺伝子を破壊したところ、アルミニウム耐性が大幅に低下したが、他の金属に対する耐性は変わらなかった。これらの結果から、OsALS1は液胞膜に局在するアルミニウムトランスポーターをコードし、細胞内に入ってくるアルミニウムを液胞に輸送することによって、アルミニウムの無毒化に機能していると考えられる。
(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

関連リンク: 植物ストレス学グループ

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