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亜鉛の優先的分配に関与する輸送体OsHMA2

[著者] Naoki Yamaji, Jixing Xia, Namiki Mitani-Ueno, Kengo Yokosho, and Jian Feng Ma

[タイトル] Preferential Delivery of Zinc to Developing Tissues in Rice Is Mediated by P-Type Heavy Metal ATPase OsHMA2

[掲載誌] Plant Physiology 162:927–939 (2013)

[内容紹介] 亜鉛は植物や動物にとって重要な金属です。亜鉛が不足すると、植物は成長が止まります。また我々も亜鉛不足に陥ると、味覚障害や成長停止が起こります。植物の場合、特に細胞分裂や細胞伸長が活発な組織(例えば新しい葉、穂)がより多くの亜鉛を要求します。しかし、長い間植物がどのように多くの亜鉛を蒸散量の低いこれらの組織に優先的に届けるのか、明らかではありませんでした。今回、我々はイネの節で発現するOsHMA2という遺伝子が、土壌から吸収された亜鉛の新しい葉や穂への優先的分配に関与していることを発見しました。OsHMA2は根では内鞘細胞、節では肥大維管束と分散維管束の篩部に発現しています。この遺伝子を破壊すると、新しい葉や穂への亜鉛の分配が滞り、新しい葉の成長停止、コメ収量の低下を引き起こします。またこの遺伝子は有毒金属カドミウムの分配にも関与することを突き止めました。(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。

関連リンク: 植物ストレス学グループ

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