レオウイルスの文法書です

[著者] Attoui, H. 他32 名

[タイトル] Family Reoviridae

[掲載誌] Virus Taxonomy: Ninth Report of the International Committee for the Taxonomy of Viruses.
A. M. Q. King et al., eds. Elsevier, Academic Press, NY.

[内容紹介]  第9次国際ウイルス分類委員会の報告書が出版されましたが、その中のレオウイルス科の章を分担執筆しました。国際ウイルス分類委員会はウイルス学を語る際 の文法(統語法、命名法等)を規定ために、研究者間で議論します。委員会はいやそれだけに留まらず、ウイルス名に対する一般市民からの異議申し立てまで取 り扱います。例えば、皆さんに馴染みのあるノロウイルスに対して、野呂さんがウイルス名の変更を委員会に要請されたのは最近のことです。余談はさておき、 2005年に出版された8次報告書では、認知されたウイルス目、科、亜科、属、種の数は3, 73, 9, 287, ~1950でしたが、今回はそれらが、 6, 87, 19, 349, ~2300種にも増えました。ウイルスは分子生物学的多様性が最も高い生物なので、標準語が通用する場合となまり言葉しか通用しない場合があります。どの ように属、種が規定するかはそれらが属する目、科により大きく異なってきます。ウイルスの分類は、研究者にとって大変重要な意味を持ちます。研究材料とす るウイルスがAという種の一系統なのかあるいはBといいう種なのかは大きな関心事項です。上げた成果が属として、種として、あるいは系統として初めてなの かで自ずとその科学的インパクトは大きく異なります。
筆者が分担執筆した章ではレオウイルスという最も大きな科の一つの分類体系を記載しました。レオウイルス科の特徴はゲノムに9-12本の分節dsRNAを 持つこと、粒子が多重殻構造をとること、さらに内殻がRNA合成ナノ装置として機能することです。この科のウイルスはキャッピング構造あるいは昆虫媒介性 の発見(日本人による)につながった歴史的なウイルスが含まれます。(文責:鈴木信弘 )

 

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