光化学系修復におけるプロテアーゼの協調的な働き

[著者] Kato Y, Sun X, Zhang L, Sakamoto W

[論文タイトル] Cooperative D1 Degradation in the Photosystem II Repair Mediated by Chloroplastic Proteases in Arabidopsis.

[掲載論文] Plant Physiol. 2012 Aug;159(4):1428-39.

[内容紹介]
光合成において過剰な光エネルギーは光化学系IIに障害をあたえ、光合成機能の低下を引き起こすことが知られています。これを回避するため、光化学系IIでは障害をうけた反応中心タンパク質D1を直ちに分解/修復し、系全体の機能維持を行っています (光化学系II修復サイクル)。これまでの研究から、光化学系II修復サイクルでのD1タンパク質分解には、チラコイド膜に局在するATP依存型メタロプロテアーゼFtsHと幾つかのATP非依存型セリンプロテアーゼDEGの関与していることが示唆され、DEGによるD1切断とそれに続くFtsHによるプロセッシブな分解モデルが提唱されていました。しかしながら、これらプロテアーゼの実際の協調的な働きは明らかではありませんでした。本研究では、FtsHとDEGによる協調的D1タンパク質分解の詳細を明らかにするために、FtsH及びDegを欠損する変異体を用いて解析を行い、実際に葉緑体内で協調的にD1タンパク質が分解されていることを確かめました。
(文責 光環境適応研究グループ・加藤 裕介)

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