光傷害-青色と赤色の違い-

[著者] Kato Y, Ozawa SI, Takahashi Y, Sakamoto W.

[論文タイトル] D1 fragmentation in photosystem II repair caused by photo-damage of a two-step model.

[掲載論文] Photosynth Res.(2015) DOI: 10.1007/s11120-015-0144-7

[内容紹介]

光合成装置の特定のタンパク質(D1)は光による損傷を受けやすく、光合成効率の低下を引き起こします。損傷したD1タンパク質はプロテアーゼにより分解されますが、その損傷が起きるメカニズムとプロテアーゼの働きについてはこれまで研究されていませんでした。損傷メカニズムはクロロフィルによって吸収された過剰な光エネルギーによる損傷とMnクラスターの崩壊が引き金となる損傷(Two-step説)が主に提唱されており、後者は短波長の光(紫外光~青色)で起き易いことが知られています。本研究では異なる損傷メカニズムがD1タンパク質分解に及ぼす影響を解析することを目的とし、青色と赤色のLED光源による光損傷後のD1タンパク質分解を比較しました。その結果、青色光下でのD1タンパク質断片化の促進と赤色光下での断片化の低下が示され、前者のメカニズム(Two-step説)による損傷がD1タンパク質の断片化に関連することが示唆されました。

(文責:加藤 雄介)

関連リンク: 光環境適応研究グループ