イネの排出型マンガン輸送体の同定

[著者] Ueno, D., Sasaki, A., Yamaji, N., Miyaji, T., Fujii, Y., Takemoto, Y., Moriyama, S., Che, J., Moriyama, Y., Iwasaki, K. and Ma, J. F.

[タイトル] A polarly localized transporter for efficient manganese uptake in rice.

[掲載誌] Nature Plants DOI:10.1038/nplants.2015.170 (2015)

[内容紹介] マンガンは植物の生育に欠かせない必須金属であり、特に光合成に必要です。植物に必要なマンガンは根によって土壌から吸収する必要があります。これまでに我々は土壌側から根の細胞内に取り込むために必要な輸送体OsNramp5を見つけています。しかし、地上部までマンガンを送り届けるためにはOsNramp5によって細胞内に取り込まれたマンガンを導管のある中心柱に向かって再び細胞の外に排出する必要がありますが、その輸送体は長い間未解明でした。今回我々はこの役割を担う輸送体OsMTP9を突き止めました。OsMTP9はOsNramp5 と同じく根の外皮細胞と内皮細胞に存在しますが、OsNramp5は根の外に向かって、OsMTP9は根の内側に向かって偏在しています。この遺伝子を破壊すると、マンガンの根への吸収と地上部への転流が大幅に減少し、その結果、イネの収量も低下しました。なおこの研究は高知大学農学部上野大勢准教授、岡山大学自然生命科学研究支援センター宮地孝明准教授らとの共同研究です。

(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)