イネのホウ素優先的分配に関わる輸送体OsNIP3;1

[著者] Shao, J. F., Yamaji, N., Liu, X. W., Yokosho, K., Shen, R. F. and Ma, J. F.

[タイトル] Preferential distribution of boron to developing tissues is mediated by the intrinsic protein OsNIP3;1

[掲載誌] Plant Physiology 176: 1739-1750 (2018).

[内容紹介] ホウ素は植物の生育に欠かせない必須栄養素です。特に成長が活発な新しい組織(新葉や生殖器官)に必要です。ホウ素不足になると、成長点が死んでしまいます。したがって、根によって吸収されたホウ素は新しい組織に優先的に分配する必要がありますが、その優先的分配に関与する仕組みは明らかにされていませんでした。本研究では、イネの節で高発現するOsNIP3;1の機能解析を行い、OsNIP3;1は、根から吸収したホウ素を新葉などの新しい組織に優先的に分配させる役割があることを明らかにしました。OsNIP3;1タンパク質は節の肥大維管束木部に局在し、導管から細胞内にホウ素を取り込みます。この働きによって、節内でホウ素の維管束間輸送が促進され、発達中の器官(新葉や穂)へと優先的にホウ素が分配されます。さらに、環境中のホウ素濃度の変動に対して、遺伝子レベルとタンパク質レベルで応答することが分かりました。すなわち、環境中のホウ素濃度が高くなると、OsNIP3;1遺伝子の発現が抑制され、またOsNIP3;1タンパク質も素早く分解してしまいます。ホウ素が不足となると、逆に遺伝子の発現やタンパク質の量が上昇します。

(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)