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OsHMA3の過剰発現はイネのカドミウム耐性と亜鉛輸送体遺伝子の発現上昇をもたらす

[著者] Sasaki, A., Yamaji, N. and Ma, J. F.

[タイトル] Overexpression of OsHMA3 enhances Cd tolerance and expression of Zn transporter genes in rice

[掲載誌] J. Exp. Bot. (2014) doi:10.1093/jxb/eru340

[内容紹介] カドミウムはイタイイタイ病を引き起こす有害重金属であるため、主食であるコメ中のカドミウムを減らすことは健康上非常に重要な課題である。我々はこれまでにイネから根の液胞膜に局在するOsHMA3を同定し、その過剰発現は選択的にコメのカドミウム濃度を減らす効果があることを報告した。今回はOsHMA3過剰発現体の更なる解析を行った。その結果、OsHMA3を過剰発現すると、カドミウム耐性も強くなることを明らかにした。これは吸収されたカドミウムが根の液胞膜に隔離されることにとって、地上部への輸送が少なくなるからである。またOsHMA3はカドミウム以外に、亜鉛も輸送するが、亜鉛の輸送に関わる4種類のトランスポーター遺伝子の発現が常に誘導されているために、カドミウムとは異なり、地上部には一定の亜鉛レベルが維持されていた。これらの結果はOsHMA3の過剰発現がイネのカドミウム低減に最も有力な手段であることをさらに実験的に証明した。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。

関連リンク: 植物ストレス学グループ

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