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赤潮原因藻ヘテロシグマのミトコンドリア・ゲノム上に存在する水域特異的な超可変領域配列についての研究

[著者] Aiko Higashi, Satoshi Nagai, Sergio Seone, and Shoko Ueki

[タイトル] A hypervariable mitochondrial protein coding sequence associated with geographical origin in a cosmopolitan bloom-forming alga, Heterosigma akashiwo.

[掲載誌] Biology Letters
http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/13/4/20160976

[内容紹介] 赤潮原因藻ヘテロシグマは、これまで、広く温帯域に生息する種と認識されてきました。ところが、ここ数年、ヘテロシグマが、熱帯や寒帯にも生息するという報告が見られるようになりました。これは、単に、近年、より広い海域でモニタリングが徹底し始めたからか、それとも、近年の気候変動や大型船舶の航行にともなうバラスト水輸送などにより、生息域が拡大しているのかは、興味のもたれるところです。本論文では、私たちが複数の産地に由来するヘテロシグマのミトコンドリアゲノム配列の全長を解読した際に見出した超可変領域の配列が、産海域に特有な配列を持つことを見出し、報告しています。このような配列は、いわば遺伝子として個体が持つバーコードのように、「そのヘテロシグマ株がどこから来たか」を識別するために使うことができる可能性があります。この超可変領域についての情報を蓄積することで、世界各地に見られるヘテロシグマが、もともとはどこから来たのかを推定する一助になると考えています。(文責:ゲノム制御グループ 植木 尚子)

[使用した共通機器] ABI DNAシークエンサー

[問い合わせ先] ゲノム制御グループ 植木 尚子

[関連リンク] ゲノム制御グループ

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