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タバコの動原体特異的レトロトランスポゾンを発見しました

著者] Kiyotaka Nagaki, Fukashi Shibata, Go Suzuki, Asaka Kanatani, Souichi Ozaki, Akiko Hironaka, Kazunari Kashihara and Minoru Murata.

[タイトル] Coexistence of NtCENH3 and two retrotransposons in tobacco centromeres.

[掲載論文] Chromosome Research (2011) 19: 591-605

[共同利用機器] DNAシークエンサー、リアルタイム定量PCR

[内容紹介] 動原体は、細胞分裂時に染色分体を娘細胞に均等に分配するために必須の機能をもった構造体です。動原 体は特異的なタンパク質とDNAで構成されていますが、種間でこれらのタンパク質の保存性は高いのに対して動原体DNAの保存性は低く種特異的です。その ため、個々の生物種で機能する人工染色体を作出するためには、その生物種の動原体DNA配列を明らかにする必要があります。タバコでは、Nt2-7と呼ば れるDNA断片が動原体特異的に存在することを私たちが2009年に報告していましたが、その全体像は不明でした。本研究では、この配列に加えてNto1 という4倍体タバコの片側のゲノムの動原体のみに存在する配列を発見しました。これらのDNA断片を含むタバコBACクローンを解析した結果、これらの DNA断片は、それぞれ異なった動原体特異的レトロトランスポゾンの一部であることが判明しました。さらに、クロマチン免疫沈降により、これらのレトロト ランスポゾンが機能的な動原体領域の指標である動原体特異的ヒストンH3と共在していることが明らかになりました。このことから、これらのレトロトランス ポゾンがタバコ人工染色体の動原体配列として利用可能であることが示唆されました。(文責:長岐)

 

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