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レンゲの動原体特異的ヒストンH3とDNAを明らかにしました

レンゲの動原体特異的ヒストンH3とDNAを明らかにしました

[著者] Ahmet L. Tek, Kazunari Kashihara, Minoru Murata and Kiyotaka Nagaki.

[タイトル] Functional centromeres in Astragalus sinicus include a compact centromere-specific histone H3 and a 20-bp tandem repeat.

[掲載論文] Chromosome Research (2011) 19: 969-978

[共同利用機器] DNAシークエンサー

[内容紹介]動原体は、細胞分裂時に染色分体を娘細胞に均等に分配するための必須の機能をもった構造体です。動原体 は特異的なタンパク質とDNAで構成されていますが、種間でこれらのタンパク質の保存性は高いのに対して動原体DNAの保存性は低く種特異的です。そのた め、個々の生物種で機能する人工染色体を作出するためには、その生物種の動原体DNA配列を明らかにする必要があります。主要作物であるマメ科植物では、 これまでに、ダイズの動原体特異的ヒストンH3(CENH3)と動原体特異的な縦列型反復配列を2010年に私たちが明らかにした以外は、動原体タンパク 質およびDNAに関する報告はありませんでした。今回、私たちはマメ科植物の動原体構成要素をさらに明らかにするために、レンゲを材料にして解析を行いま した。その結果、レンゲから単離したCENH3(AsCENH3)は、122アミノ残基から成り、高等真核生物の中で最小のCENH3であることが明らか になりました。また、AsCENH3を認識する抗体を用いた免疫沈降法により、20 bpを反復単位とする縦列型反復配列が、レンゲ動原体DNAであることも明らかにしました。この配列は、ダイズの動原体DNA配列と、まったく類似してい なかったことから、同じマメ科植物であるダイズとレンゲでは異なった配列が動原体機能を担っていることが判明しました。(文責:長岐)

 

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