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イネのマンガンとカドミウム吸収に関与する主要な輸送体を同定

[著者] Sasaki, A., Yamaji, N., Yokosho, K. and Ma, J. F.

[論文タイトル] Nramp5 is a major transporter responsible for manganese and cadmium uptake in rice

[掲載論文] Plant Cell 10.1105/tpc.112.096925 (2012)

[内容紹介]
イネはマンガンを地上部に高濃度で集積し、しかも毒性を示さない。しかし、イネはどのようにマンガンを吸収するのかについては明らかではなかった。我々はNrampファミリーに属するNramp5がマンガン吸収に関わる主な輸送体であることを突き止めた。Nramp5は主に根で発現しており、その発現レベルはマンガンの過剰や欠乏に影響されず恒常的であった。Nramp5タンパク質は根の外皮と内皮細胞に局在し、面白いことに、いずれの細胞においても遠心側に極性局在をしていた。Nramp5を破壊すると、マンガンだけではなくカドミウムの吸収もほとんどなくなった。わら及び玄米中のマンガンとカドミウム濃度は破壊株で大幅に低下し、また籾収量も低下した。これらの結果から、OsNramp5はイネにおいてマンガンとカドミウムの吸収に必要な主要な輸送体であることを示している。
(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

関連リンク: 植物ストレス学グループ

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