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アスコルビン酸(ビタミンC)輸送体の同定

[著者] Miyaji T, Kuromori T, Takeuchi Y, Yamaji N, Yokosho K, Shimazawa A, Sugimoto E, Omote H, Ma JF, Shinozaki K, Moriyama Y.

[タイトル] AtPHT4;4 is a chloroplast-localized ascorbate transporter in Arabidopsis.

[掲載誌] Nature Communications 6: 767-772 (2015)

[内容紹介] アスコルビン酸(ビタミンC)は植物の抗酸化などにおいて重要な役割を果たしています。特に、光障害から葉緑体を守る為に、ミトコンドリアで作られたビタミンCを葉緑体に運ぶ必要があります。しかし、これらの過程に関与している輸送体は長い間未同定でした。本学自然生命科学研究支援センターの宮地准教授らとの共同研究でシロイヌナズナのAtPHT4;4 タンパク質が、ビタミンC トランスポーターであることを突き止めました。本トランスポーターは、光が強く当たる葉の表側の葉緑体に多く発現し、葉緑体の包膜に局在していました。またこの遺伝子の発現は光ストレス下で大きく上昇し、効率的にビタミンC を葉緑体に運んでいました。さらにこのビタミンC トランスポーター遺伝子を欠損したシロイヌナズナでは、葉緑体のビタミンC 含量が少なく、光ストレス耐性能が低下していることを確認しました。

(文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)

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