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オオムギの新規アルミニウム耐性制御機構の解明

[著者] Kashino-Fujii, M., Yokosho, K., Yamaji, N., Yamane, M., Saisho, D., Sato, K. and Ma, J. F.

[タイトル] Retrotransposon insertion and DNA methylation regulate aluminum tolerance in European barley accessions.

[掲載誌] Plant Physiol. 178: 716-727 (2018).

[内容紹介] アルミニウム毒性は世界の耕地面積の3-4割を占める酸性土壌での主な作物生育阻害因子です。しかし、植物の種類あるいは品種によってアルミニウム毒性に対する耐性が異なります。これまでに我々はオオムギのアルミニウム耐性の品種間差を見つけ出し、その主要な耐性遺伝子HvAACT1を同定し、その機能を解明してきました。本研究では、HvAACT1の発現制御機構を調べたところ、耐性品種においてHvAACT1上流に15.3kbの新規レトロトランスポゾンの挿入を見つけました。その挿入はプロモーターの役割をし、HvAACT1の発現レベルの向上と根先端への発現を制御します。しかも、この挿入の脱メチル化がHvAACT1の発現に関与していることを突き止めました。さらにこの挿入はヨーロッパのオオムギ品種にしか存在しないこともわかりました (文責 植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。

関連リンク 植物ストレス学グループ

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