メリケンカルカヤ (イネ科 ウシクサ属)
Andropogon virginicus L
乾燥した荒れ地・路傍から湿った放棄水田・湿地など、幅広い環境に生える多年草で、北アメリカ原産の帰化植物。南アメリカ、アジア、オーストラリアに帰化している。 茎はそう生(地際で枝分かれしてして株になる形)し、次第に大株となる。9月〜10月頃、高さ50cm〜80cm程度の直立した稈(かん:イネ科の茎のこと)を多数伸ばし、稈全体に穂をつける。穂には白い長毛を備えた小穂があり、種子はわずかな風でも広範囲に散布される。 葉鞘(ようしょう:葉の基部の稈を包む部分)のふちの部分には密に白色の長毛が生える。稈の基部は葉鞘に包まれ、扁平な形状(断面は紡錘形)である。葉鞘部の長毛とともに稈が伸びていない時期の同定ポイントとなる。 直立した稈は種子が熟すころ赤褐色に色づき、独特の姿となる。稈は直立した姿のまま立ち枯れ、場合によっては翌年新しい稈が出てくる直前まで残ることもある。 |
赤く色づいたものが空き地一面に生育していた | |
放棄水田一面に生育することもある | ため池堤防にも生育する |
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メリケンカルカヤの穂 穂は白い長毛を持つ有柄小穂2本と 長い芒(のげ)を持つ無柄小穂1本が セットとなり、種子は風によって散布される。 |
葉鞘部分 葉鞘のふちの部分には 密に白い長毛が生える。 |
稈の基部断面 葉鞘が稈を包み、 扁平な形状となる。 |