Words

「ワクワク」が人生を変えてしまうように、

言葉にも人生を変えてしまう力がある。

私を導いてくれたWords。

知的好奇心を満たすこと

それが科学の最大の貢献だ。

もとは少し違う言い回しなのだが、

あるとき横浜市大の学長が

「具体的な横浜市民への貢献」を問う

当時の横浜市長に向けて放った言葉。

 

「なにかの役に立つ」ことも大切だとは思うが

「自然の仕組み」を解き明かし

みんなを「ワクワク」させることも

大切だと思う。

Think different

1997年に放映された

アップルコンピューターのCMで使われた言葉。

この言葉自身もすばらしいが、

「Crazy One」と名付けられ

20世紀の偉人達の白黒フィルムで作られた

このCMのナレーションの最後は

「Because the people who are crazy enough to think

they can change the world, are the ones who do.」

という言葉で締めくくられていた。

 

私も自分の研究成果を

科学という人類の知の総体に還元することにより

「世界が変えられる」と思いながら研究している。

 

Real artists ship.

1983年1月、

停滞したプロジェクトを推し進めるために

Steve Jobsがチームに発した言葉。

「どんなすごいモノも(閉め切りまでに)

形にしなければ無いに等しい」

これをわずか3単語で簡潔に示している。

 

私は、これをアレンジして

Real scientists publish.

と自分を鼓舞している。

今日撒かないE. coliは

明日生えない。

分子生物学の実験では、オーバーナイト実験を

何回仕掛けられるかが重要だと思う。

 

あと1時間手を動かせば

オーバーナイト実験が仕掛けられるのに

「もう夕方だから」と帰宅する大学院生に

私が放った言葉。

 

もちろん、夜、疲れ果てた自分にも

言い聞かせている。

細胞遺伝学は

芸術点のある科学

ポスドク時代にボスから

「お前のデーターが科学的に正しいことは分かった。

だが、あと1週間、顕微鏡を覗いて

最高の写真を撮ってくれないか?」

と言われたことがある。

 

このとき私は思った、

「細胞遺伝学は、芸術点のある科学」だと。

Let's try!

アメリカやドイツで大学院生と彼等の実験について

ディスカッションしてると

新しい実験を動かす段階で、まだ何もしないうちから

「Does it work well for me?」

なんて聞いてくることがあった。

そんなとき私はいつも「Let's try!」と答えた、

You always say it.」なんて言われてたけど。

一通り頭の中で思考実験をして

「可能性があるかも?」と思ったなら

やってみればいいじゃん。面白いかも知れないよ。

だって、やってみるまで誰にも結果は分からないし、

パイロット実験で得た結果を基に研究は発展していくんだよ。