オオムギは、二倍体、自殖性の主要作物のひとつで、ゲノムツールも充実しています。岡山大学資源植物科学研究所は、多様なオオムギ種子遺伝資源を保有し、その増殖や管理、研究材料としての配布などを行っています(ゲノム多様性グループ参照)。しかしながら、オオムギは栽培や形質転換が難しいことから、オオムギを研究材料とする国内の研究者は増えていないのが現状です。今後オオムギ研究の裾野を広めるには、新規のオオムギリソースユーザーを開拓し、研究を支援する体制を整える必要があると私たちは考えています。

本研究チームでは、「オオムギの形質転換を中心とした遺伝子改変技術ならびに関連基礎技術の高度化」を行い、さらに各専門分野の研究者との共同研究ベースの研究支援体制を確立することにより、「オオムギを利用した作物イノベーション研究拠点の構築」を目指します。特に、シロイヌナズナやイネなど層の厚い研究者にオオムギを研究材料として利用していただき、オオムギ研究をベースとして資源植物科学の発展を加速させたいと考えています。