高速育種技術による醸造用裸麦の開発
CRISPR/Casシステムを用いることでNUD遺伝子に変異を導入し、醸造に適した裸麦を作成した論文が公開されました。
これまで、製麦には穀皮を持つ皮麦が主に利用されてきましたが、近年、裸麦も利用できる可能性が注目されています。ただし、裸麦は食用として使われることが多く、β-グルカンやアラビノキシランといった醸造に適さない成分を含むことから、従来の交配育種では醸造適性が損なわれる課題がありました。本研究では、NUD遺伝子を標的にしたCRISPR/Cas9技術を活用し、これらの課題を克服することに成功しました。その結果、製麦や醸造への新たな利用可能性が示されました。
Hisano H, Sakai H, Hamaoka M, Munemori H, Abe F, Meints B, Sato K, Hayes PM (2025)
Rapid development of naked malting barley germplasm through targeted mutagenesis
Molecular Breeding 45:32
https://link.springer.com/article/10.1007/s11032-025-01553-5