「デンプン」の奥深さに迫る!

 

松島 良 准教授

 

光環境適応グループ

 
email: rmatsuATokayama-u.ac.jp (ATをアットマークに変更してください)

「デンプン」の奥深さに迫る!

 

松島 良 准教授

 

光環境適応グループ

 
rmatsu(AT)okayama-u.ac.jp

Q1 研究内容を教えて下さい。

デンプンの研究をしています。デンプンは、植物が作るグルコースの多量体です。私たちが毎日食べているエネルギー源です。私は特に、デンプンが作られる時に形成されるデンプン粒という粒子の形に注目しています。デンプン粒の形は植物によって多様性を示して、イネ、コムギ、トウモロコシといった主要なイネ科作物の間でも異なっています。私は、デンプン粒の形がどのように決まるのか?という興味で研究を進めています。また、デンプン粒の形がデンプンの特性にどのように影響を与えるのか?という興味も持っていて、新しい特性を示すデンプンを開発できればと思っています。特にデンプン合成に関する突然変異を組み合わせて、単独変異よりもデンプン粒の形が多様化し、様々なデンプン特性を持つデンプンを創造できればと思っています。今研究材料として使っているオオムギは、食用、醸造用、飲料用、飼料用など様々な用途を持つ多用途作物ですので、様々な用途での利用可能性に貢献できる系統を作出したいと思っています。

Q2 その研究のどういうところが面白いですか?

自分だけの変異体を育成して、それがデンプンに関しては新しい表現型があったりすると興奮します。

Q3 デンプン粒の研究を始めたきっかけは何ですか?

デンプン粒の粒子の形を顕微鏡で見る機会がたまたまあって、その美しさに魅了されたのがきっかけですね。

Q4 研究で、最近嬉しかったことはありますか?

学会で、思いもよらない人から声をかけられて共同研究に発展したのが嬉しかったです。

Q5 好きな実験は何ですか?

顕微鏡で植物細胞を見る実験が好きですね。大学院の時から、好きな実験は変わらないですね。

Q6 大学では何を専攻しましたか?

大学は農学部で、組織培養の研究をしていました。培養により均一な不定胚を得るにはどうすれば良いのかという研究でした。

Q7 どうして大学院に進むことを決めたのですか?

当時の農学部は、分子生物学とかバイオテクノロジーという言葉で今以上に盛り上がっていて、その分野の勉強を大学院でもっとしたいなと思ったからです。動物よりも植物を選んだのは、やはり植物が好きだからですね。緑に癒されますね。

Q8 子供の頃から研究者にはなりたかったのですか?

小学校の頃は建築家になりたかったですね。レゴブロックが好きで、建物みたいなものを作りまくっていましたね。今でも植物の中に、幾何学的な形があると興奮しますね。中学校と高校でも幾何学の講義が一番好きでした。

Q9 趣味はありますか?

ランニングですが、コロナ禍でお休みしていました。何年か前にハーフマラソンを2時間くらいで走りました。フルマラソンは未経験です。

Q10 オススメの本はありますか?

自分に関係のある分野の本で言うと、
・日本の品種はすごい うまい植物をめぐる物語 (竹下大学 著 )
・身近な野菜のなるほど観察記 (稲垣 栄洋 著 )
は面白かったですね。稲垣先生は岡大出身の方です。

Q11 好きな言葉を教えて下さい。

人間万事塞翁が馬
たぶん、これを挙げる研究者は多いはず。

Q12 植物研って, どんなところですか?

植物を愛している人が多い研究所です。

Q13 倉敷・岡山のどんなところが好きですか?

晴れが多いので、本当に過ごしやすいですね。

Q14 最後に、新・大学院生へのメッセージをお願いします!

若さと時間はみんなに平等な財産なので、有効活用してくださいね。健康と安全に関係の無い失敗は10年経つとたいてい笑い話になりますね。