掛け合わせ育種のポテンシャルを引き出す!

 

山本 敏央 教授

 

統合ゲノム育種グループ

email: yamamo101040(AT)okayama-u.ac.jp (ATをアットマークに変更してください)

掛け合わせ育種のポテンシャルを引き出す!

山本 敏央 教授

 

統合ゲノム育種グループ

 
yamamo101040(AT)okayama-u.ac.jp

Q1 研究内容を教えて下さい。

作物の品種改良のやり方に関する基礎研究です。望ましい性質を持った品種を効率よく開発するにはどういう方法が有効なのかを考え、イネを用いてそれを確かめる実験をしています。具体的には一度にたくさんの品種を掛け合わせた集団をつくったり、交雑しても種がつかない2つの品種を倍数化によって混ぜ合わせたりして、その方法がこれまでの品種改良と比べてどれくらい効果的なのかをゲノム情報を使って遺伝学的に明らかにしています。

Q2 その研究で,最終的に何ができるようになることが目標ですか?

世界人口の増加による食料需要の増大や急速な地球環境の変化などを受けて、さまざまな農業のニーズに対応するためには、作物の品種改良(育種)がこれまで以上に重要になります。掛け合わせによる育種は人類が過去 100年以上にわたって実施してきた技術ですが、まだその可能性は活用しきれていないと思っています。今の研究の成果をもとに、これまでにない品種ができたり、品種改良の新しい方法論のひとつとして世の中で実践されるようになればうれしいです。

Q3 研究に関して、大変なことは何ですか?

イネの栽培実験は1年に1作しかできないので簡単にやり直しが効きません。もちろん毎年入念な計画を立てて実験内容を決めているのですが、それでも「ああすればよかった」という後悔は必ずあります。またこの数年は台風、大雨、高温、病虫害など毎年のように異常な天候なので稲作シーズンは心配な日が続きます。

Q4 研究者になったきっかけは?

修士課程を修了して企業に研究職として就職しました。研究者としてやっていけるかどうかわからずに10年以上過ごしましたが、節目節目でいろんな人と出会い、論文博士を取得する機会にも恵まれました。その後、いくつかの転職を経て、やってきたことがたまには評価されたりして今は大学に職を得ています。学生さんに誇らしく言えるキャリアではありませんが、とりあえず目の前の与えられた仕事は研究以外であってもきちんとやろうという努力はしたように思います。

Q5 小学校の頃は何になりたかったですか?

灯台守、山小屋の主人、夜汽車の運転士など。きっと孤独が好きだったのでしょう

Q6 倉敷・岡山で好きなところは?

果物王国の岡山県に住み始めて、桃にとてもたくさんの種類があることを知りました。贈答用は高いけど、街中のスーパーやJAで家庭用として売られている普通の桃でも十分おいしいです。

Q7 好きな言葉、あるいは座右の銘は?

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」…謙虚さを忘れないよう心がけてます。

Q8 最後に、新・大学院生へのメッセージをお願いします!

知識を吸収するだけでなく発見の喜びを味わってください。自分が第1発見者になれるのが大学院生の醍醐味です。そしてその醍醐味に幸せを感じるようになったらぜひ研究者を目指してください。