Q1 研究内容を教えて下さい。
オオムギは、食用、醸造用そして飼料用など様々な用途で使われている主要作物のひとつです。私たちの研究室には、世界中から集められたオオムギが10000点以上保存されています。私たちはそれらを使って、多様性の解析、農業に重要な遺伝子の解析、バイオテクノロジーを駆使した性質改良を行っています。その中でも、私は「ゲノム編集」という最新の技術をオオムギに応用して、例えば発芽のタイミングをコントロールするような研究を行っています。
Q2 その研究のどういうところが面白いですか?
皆さんが麦飯として食べている「麦」はコムギではなくオオムギです。そしてオオムギは、ビールやウイスキーなどの主要な原料となります。また、オオムギは豚や牛の飼料としても利用されるなど、皆さんの食卓をいろいろな面から支えています。オオムギだけでなく作物全体に言えることですが、私たちの生活を維持するには作物生産の安定が必要です。そのための基礎情報として、作物の多様性や遺伝子作用の理解が重要となります。このように、オオムギを通じて農業に直結する研究をできることが面白いところだと思います。
Q3 その研究はどのように世の中に役立つのですか?
私たちの研究成果は、地球規模で課題となっている食糧問題や環境問題を解決し、未来の農業に役立てられると考えています。多様性の全容や重要遺伝子の機能が明らかになれば、環境の変化に応じた作物の開発が可能になり、また食糧の安定した生産と供給にも貢献できます。
Q4 研究の中で、嬉しかったや大変なことを教えて下さい。

Q5 得意な実験はありますか?
植物の無菌操作です。
Q6 出身はどちらですか?
福岡出身です。豚骨ラーメンと明太子が好きです。
Q7 趣味はありますか?
野球をすることが趣味ですが、最近は忙しくてできていません。子供の頃は野球選手になりたかったです。
Q8 どうして研究者になろうと思いましたか?
高校の時は物理と化学を選択して、生物のことは全く分からなかったです。でも、高校の数学の授業で(実は担当教諭の専攻は遺伝学)、ワトソンとクリックのDNA二重らせん構造の発見に関するビデオを見て、そこから遺伝子に興味を持ちました。子供のころから植物が好きだったこともあり、植物を扱う農学部に進学しました。その後は、漠然と研究者になりたくて大学院に進学、農学研究科の応用生命科学専攻(植物遺伝資源学分野)で学位を取りました。日本と海外の研究機関で博士研究員として働いて、その後に岡山大に赴任して、現在に至ります。
Q9 好きな言葉はありますか?
迷わず行けよ 行けばわかるさ。
Q10 植物研って、一言で言うとどんなところですか?
いろいろな植物科学分野の著名な先生、面白い先生、風変りな先生が集まっているところです。勉学と研究に集中できます。
Q11 研究室でのイベントはありますか?
お花見(歓迎会)、オオムギの収穫(5月)と収穫祭(6月)、オオムギの播種(11月)と打上げ(12月、兼忘年会)など。
Q12 倉敷・岡山のどんなところが好きですか?
自然豊かなところ。研究所の目の前にオオムギ畑・稲作水田が広がるのは圧巻!
Q13 新・大学院生へのメッセージをお願いします。
学部生でも同じことが言えますが、あなたの研究テーマの内容は『世界で自分が一番詳しいんだ』という気概を持って研究に励んでください。
