花粉のストレス応答メカニズムに迫る!

 

山森 晃一 助教

 

ゲノム多様性グループ

 
email: k.yamamoriATokayama-u.ac.jp (ATをアットマークに変更してください)

花粉のストレス応答メカニズムに迫る!

 

山森 晃一 助教

 

ゲノム多様性グループ

 
k.yamamoriATokayama-u.ac.jp

Q1 研究内容を教えて下さい。

オオムギを使って、高温や低温といったストレスに対して、花粉や葯(花粉を包む袋状の組織)で何が起きるかについて研究しています。

Q2 その研究のどんなところに惹かれていますか?

オオムギやイネなど、多くの作物種は、被子植物に分類され、根・葉・茎などの組織は2本のよく似た染色体(相同染色体)を一セット持っていますが、花粉と胚珠(配偶体)は相同染色体を1本ずつしか持ちません。花粉内の精細胞と胚珠内の卵細胞とが受精すると、2本の染色体を持った種子となり、次世代が誕生するわけです。次の世代に遺伝情報を正確に伝えるためには、配偶体が正常にできなければならないのですが、自然界のあらゆるストレス条件で配偶体が異常にならないように、どのように適応したのか...これを理解することは、いわば生命のリレーを継続する仕組みの根幹を解き明かすことだと考えています。

Q3 その研究が進むと、世の中にどんなふうに役立ちますか?

ストレスに強い品種の開発につながります。花粉の発達段階はストレスに特に敏感であるといわれています。花粉のストレス応答メカニズムが判れば、耐性品種の開発につながると考えています。

Q4 花粉の研究を始めたきっかけは何ですか?

私は、学生時代からイネやコムギの花粉や葯の発達阻害に関する研究を行ってきました。また、ここ植物研は、植物のストレスへの応答についての研究が盛んです。植物研の得意な分野と自分のオリジナリティを考えた時に、ストレス花粉、葯とをキーワードに研究をしようと考えたことがきっかけです。

Q5 最近、研究に関して、一番嬉しかったことは?

アイディアや結果に対して面白いと言ってもらえたことです。

Q6 研究をしていて、大変だと感じることはありますか?

葯や花粉の採取は時期の見定めがシビアなので、重要な実験の時期になるとサンプリングをしている夢を見てうなされます。

Q7 サンプリングの夢でうなされる…!す、すごいです!! 研究が辛くて、やめたいと思ったことはありましたか?

学生時代にいわゆる学振という奨学金の申請に落ちたときは、才能が無いからやめようと思っていました。

Q8 得意・好きな実験(研究)ワザは?

パラフィン包埋を使った横断切片作製です。植物の組織を溶かしたパラフィン () に浸して固めて、薄く切って観察するのですが、これまで明らかになっていないミクロの世界を見ることができる点が気に入っています。

Q9 研究者になろうと思ったきっかけは何かありましたか?

大学3年生で研究室に配属されたときに、隣の研究室の研究員の人に実験量を誉められたことがきっかけです。子供のころから科学者に対してあこがれはありましたが、能力的になれないとあきらめていました。でも、その研究員の方に実験量を誉められたことで、自分でもやっていけるという勘違い(?)をしてしまったことが原因です。

Q10 では、ちょっと研究から離れた質問を。ご出身はどちらですか?

名古屋です。名古屋人は名古屋愛が強いといわれますが、私もその一人です。東京や大阪ほど都会すぎず、住みやすいですよ。岡山県人は名古屋人に気質が似ているかもしれません。

Q9 好きな言葉、あるいは座右の銘は??

宮本武蔵のストイックな姿勢が好きで、五輪書に出てくる「能々吟味あるべし」というフレーズが好きです。研究も吟味の連続なので。

Q10 なるほど、一つ一つにじっくり向き合い、磨いていく、という感じでしょうか。
 色々お伺いしましたが、そろそろ纏めに入りたいと思います。まず、学生さんに植物研ってどんなところ?と聞かれたら、なんて答えますか?

いい意味で “村” です。団結力が強く、皆さん一丸となって研究しています。

Q11 では、最後に、新・大学院生へのメッセージをお願いします!

能力は後からついてくるので、今は気にしなくていいと思います。大事なのは”根気”、”やる気”、”元気”、”本気”、”根気” です!