進学を考えている学生の方へ

私たちの研究室では「オルガネラ分化」をキーワードに、光環境ストレスに関連する研究を行っています。 植物細胞には、細胞内共生により生じたオルガネラとして「葉緑体(プラスチド)」「ミトコンドリア」があります。これらのオルガネラは、エネルギー変換や物質代謝に重要なはたらきをしますが、共生に由来するので独自のDNAを持ちます。私たちの研究室では、主に葉緑体を研究対象として、光合成の光環境応答、強光ストレス、葉緑体の母性遺伝メカニズム、プラスチドの分化(アミロプラスト)を様々な研究手法で研究しています。

世界にひとつしかない、自分だけの突然変異を見つけ、原因となる遺伝子を探し、ひとつの塩基置換によるアミノ酸変異をみつけます。あるいは、目的のタンパク質を精製して、そこに含まれる新しい因子をみつけます。それらの新しい遺伝子やタンパク質を詳細に調べて、新たな生命の現象を明らかにしていきます。一見、大変なように聞こえますが、私たちの研究室ではシステマティックに研究が進むように整備されています。

(1)どんな役に立つ?

葉緑体内で行われる光合成、つまり、光エネルギー変換とそれに伴う炭酸固定は、地球の大気環境維持に最も重要な生命反応の1つです。葉緑体が植物でどのように発達し、後代に伝わり、様々な光環境で光合成が維持されるかを知ることは、これからのグリーンイノベーションにつながる基礎研究です。私たちの未来へつながる生命現象を研究してみませんか? 

(2)テーマは選べるの?

せっかく研究するのだから面白いと思えること。オリジナリティを重視します。まずは、基礎的な研究技術を身につけて、自分しか知らない現象を発見すること。そこから、新たな生命現象を理解すること。卒業生はみな、研究レベルの高さを評価され、自信を持って次の進路(企業、大学)へと進んでいきます。 

(3)研究室の雰囲気は?

研究室は朝は早めが基本ですが、夜型の人もおり、それぞれのペースで研究を進めています。研究所にはスタッフも多く、様々なアドバイスが受けれます。また、研究室では、各個人の研究報告とジャーナルクラブを合わせたセミナーを1-2週に一度行っています。さらに研究所には多くの最先端機器が導入されており、講習を受けて、これらを自由に利用することができます。倉敷市の中心部にあるので、外食には比較的困りません。研究所なので、学生が多くにぎやかというよりは、設備が充実して静かに研究できる環境です。

(4)進学者の出身と卒業後の進路

出身大学:岡山大学、京都産業大学、岡山理科大学、愛媛大学、熊本大学、鳥取大学、近畿大学、長浜バイオ大学(他留学生)

進路:熊本大学(教員)、岩手大学(ポスドク)、東京医科歯科大学(非常勤職員)、奈良先端大学(ポスドク)、塾講師、種苗会社、製薬会社、土木関連会社、報道関連


修士(博士前期課程)を受験される方へ

所属先:岡山大学大学院 環境生命科学研究科
博士前期課程生物資源科学専攻
植物ストレス科学講座
受験科目 (一般選抜):英語/専門科目/口頭試問
坂本研究室の専門科目:植物遺伝生理学

博士(博士後期課程)の受験を考えられている方は坂本までご連絡ください。


過去の試験問題は教務学生係で閲覧が可能です。
問い合わせ先:農学部教務学生係(086-251-8286)

参考 ▶ [資源生物科学研究所 大学院生募集日程][大学院進学情報(研究所HP)]