2024年6月 イネの耐虫性においてケイ素の役割を包括的に解析した論文がFront Plant Sci誌に掲載されました。
ケイ素は植物の有用元素として知られ、植物のさまざまなストレスを軽減することが知られているミネラルです。今回、博士後期課程のDandy Osibeさんが中心となって、イネの耐虫性におけるケイ素の役割を包括的に解析しました。その結果、ケイ素はイネの表層で物理的な防御機構として以前明らかにした、針状突起(ケイ化トライコーム)構成に関与するだけでなく(Andama et al., 2020および本研究)、クサシロキヨトウ食害時の一次代謝産物産生や、耐虫性に重要な揮発性物質や抗昆虫活性物質などの二次代謝産物産生に影響することを明らかにしました。また、興味深いことに、食害時に葉のケイ素量が変化することを示しました。以上のように、イネの耐虫性における多様なケイ素の役割を解析した本研究は、Front Plant Sci誌に掲載されました。