研究室リスト

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大気環境ストレスユニット 

教員: 坂本 亘 教授、松島 良 准教授、桶川 友季 助教
担当講義: 植物モデル遺伝育種学、植物生理遺伝学
光合成と葉緑体から植物を理解し、役立てる
生命の生存に必要な地球の大気環境は、植物の光合成で水から酸素を発生して化 学エネルギーに変換し、二酸化炭素を有機物に変換することで保たれています。 光合成は細胞の葉緑体で行われ、精巧なしくみでその恒常性を保持しています。 例えば植物は、強すぎる光や日々刻々と変化する光環境にうまく適応しながら、 障害を最小限に抑える巧みなしくみで光合成能を維持しています。私達のグルー プでは、光合成と葉緑体の分化・機能維持に関わる基本作用を分子細胞レベルで 明らかにし、作物の生産性向上や品種改良に役立てる研究を進めています。

 
 
 

教員: 平山 隆志 教授、森 泉 准教授、池田 陽子 准教授
担当講義: 環境応答システム学、植物情報統御解析学、植物分子細胞生理学
植物は環境の変化をどのように捉え応答するのか?
移動が出来ない植物は、生育環境が如何に変化してもそれに適応することが求め られます。実際、植物は環境の変化を機敏に察知し応答することがわかっていま す。しかし、動物のような神経系や脳を持たない植物が、どのように各組織で認 知した環境の情報を統合・分析し個体として最適な対応を決定しているのかは、 まだよくわかっていません。当研究グループは、この問題に答えるため、環境ス トレス応答に関連した植物ホルモン応答やクロマチン制御等を対象に、生理学、 分子生物学、分子遺伝学的手法などを用いて研究を進め、これらの理解と得られ た知見を活用したストレス耐性作物作成を目指しています。

 
 
 

教員:杉本 学 准教授、力石 和英 助教
担当講義: 植物細胞分子生化学、植物細胞分子機能学
分子の機能を活用して未来社会を支える植物を開発する
植物は様々な地球環境下で各種ストレスと闘いながら適応する仕組みを発達さ せ、必要に応じた遺伝子やタンパク質の発現を伴って無数の細胞が分裂・分化・ 増殖を繰り返し、成長しています。当研究グループでは、環境ストレスに対する 植物の耐性獲得に関与する酵素、タンパク質、発現制御因子やその機能について 生化学的および分子生物学的手法を用いて明らかにして劣悪環境や極限環境で 生育可能な作物の開発を行い、食料不足や環境悪化など人類が直面する課題の 解決に役立てることを目指しています。

 
 
 

土壌環境ストレスユニット 

教員: 馬 建鋒 教授、山地 直樹 准教授、三谷 奈見季 准教授
担当講義: 植物ストレス学、植物ストレス生理学、植物ストレス分子生物学
ミネラルストレスを克服する植物の知恵
植物は土壌に根を下ろし、水とともに土壌中の様々なミネラルを吸収することで独立栄養を営んでいます。ミネラルの不足や過剰によるストレスは植物に様々な生育障害を引き起こします。しかし植物は長い進化の過程で、これらのストレスを克服する巧みな戦略を獲得してきました。当研究グループでは、植物の生育に必須、有益および有害なミネラルの吸収・分配・蓄積のメカニズムを個体レベルから遺伝子レベルまで解明し、安心・安全で安定した作物生産に寄与することを目指しています。

 
 
 

教員: 且原 真木 教授、佐々木 孝行 准教授、宇都木 繁子 助教
担当講義: 環境応答生理学、植物生理機能学
環境ストレス下における水やイオンの輸送機構の研究
水とイオンが関係するストレス環境に植物がどのように応答して適応している か、それらが植物組織の発達や形成にどのように影響するかを細胞生理学的およ び分子生化学的に解明するために、水とイオンの生体膜輸送の分子基盤としての 水輸送体アクアポリンおよびイオンチャネルの研究を進めています。また、酸性 土壌において根の生育を阻害するアルミニウム(Al)の毒性機構について解析し ています。さらにAl 耐性遺伝子ALMT1 は有力な酸性土壌耐性遺伝子の一つで すが、植物にしか見られないALMT 遺伝子ファミリーを形成していることから、 その機能解明を目指し研究を行っています。

 

環境生物ストレスユニット 

教員: 鈴木 信弘 教授、近藤 秀樹 准教授、兵頭 究 准教授
担当講義: 植物-微生物/昆虫相互作用、発展ウイルス分子生物学、応用植物ウイルス学
植物と善玉・悪玉ウイルス / 微生物の相互作用を紐解く
植物の生育は様々な微生物との相互作用に大きな影響を受けています。 植物に病 気を引きおこすウイルス、細菌、糸状菌はその生育に脅威となります。 一方、悪玉 である植物の病原体に感染し、生物農薬として有効利用できそうな善玉ウイルスも 見つかっています。本グループでは、ウイルスの多面性に着目し、二者(植物 - ウ イルス)、三者(植物 - 病原糸状菌 - マイコウイルス)間の多様な相互作用・鬩ぎ あいの研究を進めています。最終目的は、植物の健全な育成を図ることにあります。

 
 
 

教員: ガリス イバン 教授、新屋 友規 准教授
担当講義: 植物遺伝および生物ストレス学、植物-昆虫相互作用学特論
植物と昆虫の相互作用を分子レベルで解明へ
植物は植食性昆虫に対する多様な防御機構を植食性昆虫との共進化の過程で獲得しています。当研究グループでは、植物・植食性昆虫間の攻防において植物がどのようにして害虫を認識し防御機構を活性化しているのか、その分子機構の解明を進めています。また、害虫に食害された植物は揮発性物質の放出を介して、害虫に対する天敵を誘引することが知られており、この現象を利用した持続的な害虫防除法の可能性を探っています。

 
 
 

教員: 谷 明生 准教授、植木 尚子 准教授
担当講義: 植物-微生物/昆虫相互作用、応用植物環境微生物学
植物・藻類と微生物・ウイルスの共生を分子レベルで紐解く
植物や藻類と共存し、その生育に大きな影響を与える共生細菌やウイルスの研究を行っています。 植物が放出するメタノールを利用して共生するMethylobacterium属細菌は、植物の生育を促進する 能力があり、その能力を引き出して農業生産に貢献します。また本属細菌はそのメタノール代謝経路 に新規なランタノイド依存酵素を持っています。ランタノイドは生物に必要でないと考えられてきま したが、その重要性を遺伝学的・生化学的に検証しています。陸上植物と同じく、藻類も多様な微生 物と相互作用することが知られています。私たちは、特に赤潮を形成する藻類と海洋細菌やウイルス との相互作用について研究を行っています。ウイルスは、赤潮終結因子であることが知られており、 また、ある種のバクテリアは赤潮原因藻の増殖を促進することがわかってきています。私たちは、 このような種間関係を分子・細胞レベルで読み解くことを目的として研究を進めています。

 
 
 

教員:河野 洋治 教授、深田 史美 助教
担当講義: 植物細胞分子生化学
イネ免疫の包括的な理解による免疫デザイン
地球の人口は2050年までに90億人に達すると予想されています。農業は、この人数を支えるために根本的に変化しなければなりません。コメは最も重要な作物であり、コメの改良は重要な研究課題です。 私達の究極の目標は、イネ形質をデザインし、生物的および非生物的ストレスに高い抵抗性を付与することです。 私達は現在、イネ免疫の主要な構成要素である免疫受容体と低分子量Gタンパク質OsRac1を中心に研究を行っています。 免疫受容体とOsRac1機能の包括的な理解により、イネ免疫をデザインできるようになると考えています。この目標を具現化するために、ライブイメージングやゲノム編集などの最先端技術を組み合わせて研究を行っています。

 

遺伝資源ユニット 

教員: 佐藤 和広 教授、最相 大輔 准教授、久野 裕 准教授
担当講義: 植物多様性遺伝学、植物ゲノム多様性解析学
オオムギ遺伝資源のゲノム多様性解析とその応用
本グループでは、東アジアの在来品種を中心に世界中から収集されたオオムギ遺 伝資源(在来品種、育成品種・系統、実験系統、野生系統など約1万5千点)を 利用して、多様性の解析とその応用に関する研究を進めています。その内容は、(1)遺伝資源ならびにそのゲノムの多様性の評価、(2)ゲノム情報の解読およ び関連リソースの開発、(3)産業上有用な形質の遺伝解析と改良手法の開発な どです。オオムギリソースの収集・保存・配布については文部科学省が推進する ナショナルバイオリソースプロジェクトからの支援を受けており、国内外の研究 コミュニティーに貢献しています。

 
 
 

教員: 池田 啓 准教授、山下 純 助教
担当講義:環境応答システム学
植物の進化を理解し、役立てる
地球上には約30万種もの陸上植物が生育すると言われています。こうした植物 の多様性が生み出されてきた大きな理由の一つは、様々な生育環境への適応進化 です。当研究室では、野生植物のゲノムに残された進化の歴史を紐解くことで、 環境と生物の関わりを明らかにし、地球上の多様な生物が創出・維持されてきた 仕組みを理解することを目指しています。また当研究室は研究所の創立以来収集 された、野生植物の腊葉標本と約4千種の冷凍種子を保存しており、学術研究に 利用できるように整備しています。

  
 
 

ゲノム育種ユニット 

教員: 武田 真 教授
担当講義: 植物多様性遺伝学、植物遺伝資源機能解析学
オオムギにおける種子と芒の形態、食物繊維成分の分子遺伝学
オオムギは世界で4番目に生産量が多い重要なイネ科作物です。オオムギ固有 の特徴として、種子と殻が接着して分離できない 「皮麦」 であることがあげら れます。この性質は醸造に適します。一方、種子が殻から容易に分離できる 「はだか麦」 が自然突然変異で生じ、食用に適します。オオムギは穂先の針状 突起の芒で光合成を活発に行うことでも注目されます。私たちは、オオムギの 種子や芒の形態、さらに健康成分である水溶性食物繊維のβ-グルカン含量を決 める有用遺伝子に注目して研究しています。原因遺伝子を突き止め、分子レベ ルで機能を解明し品種改良に貢献したいと考えています。

 
 
 

教員: 山本 敏央 教授、長岐 清孝 准教授、古田 智敬 助教
担当講義: 植物分子細胞遺伝学、資源植物学ラボマニュアル、細胞核機能解析学、分子細胞遺伝解析学
ゲノムと染色体動態を理解し、育種を創造する
地球規模の急激な環境変化は、食料および農業をとりまく環境にも影響を及ぼし ています。安定した食料生産と持続可能な農業環境を保つためには、環境変化に 適応可能な新しい特性を持った作物を短期間で開発する必要があります。私たち の研究グループでは、イネの生産性や環境ストレス耐性を研究対象として、品種 改良の原動力である膨大なイネ遺伝資源の特徴をゲノム構成の観点から明らかにし、さまざまな育種目標に対応可能な遺伝子(群)を見出す方法を研究してい ます。また、染色体工学を新しい育種法開発に繋げることを念頭に、交雑育種 における染色体の動態を明らかにする研究を行っています。

 
 
 

RECTOR program

RECTOR program

教員:Michael Hippler 教授、小澤 真一郎 助教
担当講義: