材料/はじめての染色体

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  生物学のすべての実験に言える事かもしれないが、「染色体の観察」においても「材料選び」は重要なポイントである。染色体を観察するためには、分裂細胞を多く含む「元気に成長している組織」を得る事が重要である。これさえできれば、「実験の成功」の半分は約束された様なものである。
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 では、実際にどの様な材料を用いればいいのか?もちろん、自分の研究目的から研究対象が限定されてしまう場合は、その材料を使わなければ仕方ないが、高校の授業の様に「ある程度自由が利く場合」には、月並みだがネギ属植物を材料としてお勧めする。その理由は、「安い」、「入手が容易」、「染色体が大きい」、「分裂細胞を多く含む組織が簡単に用意できる」などである。そうなると、教科書に載っている事からタマネギとなりがちだが、これが少々「くせもの」なのである。なぜかというと、「最近のタマネギは、根が出にくい」のである。私たちが、タマネギを材料にする場合は、複数の店舗から購入する様にしている。もちろん、「種タマネギ」が入手できれば確実なのだが、時期が限られる。新タマネギは、「休眠」といって根が出にくい状態にあるので、染色体観察のためには決して買ってはならない。
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 そこで「オススメ!」なのが、ニンニクである。それも、「田子のニンニク」の様な高級品ではなく、「中国産の安物」が、良い。これまで、中国産の安物ニンニクで根が出なかったケースは、0%である。それも、横から串刺しにして、水に鱗茎の下3分の1を浸けておけば、次の日には根が出ている。もう、実験の日が迫っているのに根のでないタマネギにヒヤヒヤする必要は無い。ニンニクの根は、タマネギの根に比べると少しだけ細いが、分裂細胞が十分含まれるので問題ない。しかも、タマネギの動原体の検出に使っている抗体は、そのままニンニクに利用可能である。
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 上では「 水に鱗茎の下3分の1を浸けて」と書いたが、この方法だと根が窒息気味で多少分裂細胞の割合が低くなる。「酸素供給」と「その後のゴミ残留の少なさ」を考慮するとバーミキュライトに植えるのが、ベターな方法と言える。ただし、組織免疫染色に使うときだけは、「ゴミの残留がまったくない」水耕栽培の方が良い。その辺を考えると、「エアレーションをしながらの水耕栽培」が、ベストの方法かも知れない。

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