二国間セミナー「光合成の最適化による気象変動への対応と水や養分の有効利用」の開催

日本学術振興会・二国間交流事業(セミナー)
2018年9月24日~27日(神戸市)

 光合成は太陽からの光エネルギーを捕集し、変換したNADPHとATPの化学エネルギーを用いて二酸化炭素を固定するプロセスです。この能力により、植物など光合成生物は空気中の二酸化炭素や他の無機物を用い、光をエネルギー源として生長することができます。そしてこの植物(生産者)による生産力が、動物(消費者)と微生物(分解者)を含む生態系の基盤として我々の生命系である「緑の地球」を支えてきたといえます。
 その一方で、我々は光合成生物が固定した有機物に由来する化石燃料を一過的に消費することにより文明化を進めてきました。特に20世紀以降の急激なエネルギー消費により、将来的な化石燃料の枯渇のみならず、大量の二酸化炭素および温室効果ガス(GHG)の放出による気候変動が顕在化しています。地球環境の変化と光合成に関して言えば、定常光ではない変動光の影響については最近研究が進みつつあります。しかし気象変動は、水資源や窒素、リンなど栄養素の供給にも変化を及ぼしつつあり、グローバルな視点で捉えれば、光・温度など直接的な環境変動のみならず、水や栄養素など代謝ネットワークとの関わりによる光合成機能の統合的理解、さらにはこれらの変動環境における光エネルギー転換反応、炭酸固定反応の各要素における最適化を検討する必要があります。
 これらの状況を踏まえ、今回、日本学術振興会・国際事業(フィンランドとの二国間セミナー・日本側代表・坂本亘)「Shaping photosynthesis against climate change and toward efficient water and nutrient management(光合成の最適化による気象変動への対応と水や養分の有効利用)」と題し、日本とフィンランドの研究者約50名が集まり光合成研究と養分利用に関するセミナーを神戸で開催しました。