研究組織

植物免疫デザイングループ

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教員

 

教授: 河野 洋治  Prof. Dr.Yoji KAWANO
E-mail:yoji.kawano@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 植物分子生物学、植物免疫学
助教: 深田 史美 Assist Prof. Dr. Fumi FUKADA
E-mail: fumi.fukada@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 植物・糸状菌分子生物学、植物病理学

主な研究テーマ

地球の人口は2050年までに90億人に達すると予想されています。農業は、21世紀半ばまでにこの人数を支えるために根本的に変化しなければなりません。コメは最も重要な作物であり、コメの改良は重要な研究課題です。 私たちの究極の目標は、生物的および非生物的ストレスに対処し、重要な農業形質を改善する新しいイネを設計することです。 私達は、イネ免疫の主要な構成要素である免疫受容体と低分子量Gタンパク質OsRac1の研究を行っています。 免疫受容体とOsRac1機能の包括的な理解により、イネ免疫をデザインできるようになると考えています。これらの問題に対処するために、ライブイメージングやゲノム編集などの最先端技術を組み合わせて研究を行っています。

1. NLRタンパク質のシグナル伝達経路の解明
NLRは、植物免疫の重要な細胞内受容体として知られている。私達は、細胞内スイッチである低分子量Gタンパク質イネOsRac1が、免疫を制御するマスターレギュレーターであることを明らかにしてきた(P Cell 2016, Curr Genomic 2016, FPB 2014, EMBO J 2014, COPB 2013, PSC 2013, Rice 2010)。OsRac1がNLR タンパク質Pit1を介した防御メカニズムにおいて重要な因子であるを発見した (図 1)(Cell Host Microbe 2010) 。Pit1がOsSPK1と呼ばれるGタンパク質の活性化タンパク質を介して、OsRac1を活性化することを見出した (PNAS 2018)。脂質修飾のパルミトイル化を介して Pit1 が細胞膜にアンカーすることが、細胞膜上でのPit1によるOsRac1活性化に重要であることも明らかにした (JBC 2014)。

2.パターン認識受容体によるOsRac1を介した耐病性誘導機構
低分子量Gタンパク質OsRac1は、イネ免疫を制御するマスターレギュレーターであることから、植物細胞内でのOsRac1活性化をモニタリングすることは、植物免疫を理解する上で重要であると考えた。FRETを用いたバイオイメージングセンサーを用いて(Plant Methods 2018, Cell Host Microbe 2010)、いもち病菌の細胞壁成分を感知してから3分以内にOsRac1が活性化することを見出した(図2:Cell Host Microbe 2013)。これは、植物ではじめて低分子量Gタンパク質の活性化を生細胞で観察した事例である。さらに、キチン受容体OsCERK1からの指令は、OsRac1の活性化タンパク質OsRacGEF1 を介してOsRac1まで伝えられることを発見した。


Latest publications

(1) Wang, P., Jia, H., Guo, T., Zhang, Y., Wang, W., Nishimura, H., Li, Z., Kawano, Y. The secreted immune response peptide 1 functions as a phytocytokine in rice immunity. J. Exp. Bot. 74: 1059-1073. doi.org/10.1093/jxb/erac455 (2023. 2.)

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