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過酸化水素の輸送体の性質を解明

[著者] Rhee J, Horie T, Sasano S, Nakahar Y, Katsuhara M.

[論文タイトル] Identification of an H2O2 permeable PIP aquaporin in barley and a serine residue promoting H2O2.

[掲載論文] Physiologia Plantarum 159(1): 120-128 (2017)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27595571

[内容紹介]
各種ストレスで生じる活性酸素種のひとつである過酸化水素を排出するために、あるいは状況によっては過酸化水素をストレス情報のシグナルとして取り込んで利用するために、過酸化水素を輸送するための輸送体が植物細胞の細胞膜にあると考えられている。今回私たちはオオムギのアクアポリンの一つであるHvPIP2;5が、水輸送活性を持つと同時に、細胞膜における過酸化水素輸送体としても機能していることを示した。生化学的メカニズムとしては、この輸送体を構成するアミノ酸のうちの126番目のセリンが過酸化水素の輸送に重要であり、このセリンを別のアミノ酸に置き換えてしまうと過酸化水素輸送活性がほとんどなくなる(しかし水輸送活性は、それほど影響を受けない)ことを明らかにした。(文責 分子生理機能解析グループ・且原 真木)

関連リンク:分子生理機能解析グループ

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