イネの根毛形成に重要な遺伝子を特定

[著者]Yuo, T., Shiotani, K., Shitsukawa, N., Miyao, A., Hirochika, H., Ichii, M. and Taketa, S.

[タイトル] Root hairless 2 (rth2) mutant represents a loss-of-function allele of the cellulose synthase-like gene OsCSLD1 in rice (Oryza sativa L.)

[掲載誌] Breeding Science(2011) 61: 225-233.

[共同利用機器] シークエンサー

[内容紹介] 根毛は養水分を吸収したり植物体を支えるのに重要な役割を担うと考えられています.イネ根毛の発生過程について理解を深めるために,日本晴のミュータントパネルから根毛の無い突然変異体root hairless 2 (rth2) を選び出しました.この突然変異体ではCellulose Synthase-like D1遺伝子(OsCSLD1)に異常があるため根毛ができないことがわかりました.rth2では,第1エキソンの連続する2塩基置換により早期に終始コドンが生じているため,D, D, D, QxxRWモチーフおよび8つの膜貫通ドメインを欠く不完全なタンパク質ができると推定されました.rth2においては、根毛のもととなるバルジの形成は正常に開始されましたが,出来たバルジは伸長しませんでした。そのため,rth2は完全に無根毛の表現型を示しました.OsCSLD1は根だけでなく地上部でも発現していました.また、OsCSLD1は根毛だけでなく表皮細胞壁および皮層細胞壁で発現することがわかりました.ポット栽培で農業形質を調査したところ,rth2は日本晴と比べて,根乾物重の増加した点を除いて違いはみられませんでした.しかし,水田では,rth2は日本晴に比べ生育が劣ることがわかりました.(遺伝資源機能解析グループ 武田 真)

 

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