ハダニの天敵であるカブリダニの種構成推定法を確立しました

[著者] 園田昌司

[論文タイトル] 量的シーケンシングを用いたカブリダニの種構成推定法

[掲載論文] 植物防疫66: 337-341

[使用した共通機器] DNAシーケンサー

[内容紹介]
これまでハダニ防除は殺ダニ剤を中心として行われてきました。しかし、殺ダニ剤への過度の依存により、抵抗性の発達が様々な農作物で問題となっています。ハダニの天敵であるカブリダニは、一般に、薬剤に対する感受性が高いと言われていますが、耐性を持つ種や系統の存在も明らかになっています。今後ハダニ防除において、カブリダニの有効利用を進め、殺ダニ剤への依存度を低減させるためには、カブリダニの種構成に関する情報が重要です。しかし、カブリダニを形態学的な特徴に基づいて同定するためには、スライド標本を作り、雌成虫体内の受精のうや胴背毛を観察することが不可欠です。この作業は手間がかかるのに加え、サンプルの状態やカブリダニの性、発育段階によっては同定できないこともあります。ミトコンドリアDNAやリボゾームDNAなどの塩基配列情報はカブリダニの同定に有用ですが、個体ごとの塩基配列決定やPCR-RFLPといった手法は野外で採集された多量のサンプルの種構成を調べる場合には不適です。本稿では、量的シーケンシングを用いたカブリダニの種構成推定法について紹介し、本手法を用いた岡山県のモモ圃場におけるカブリダニの調査結果についても報告しています。
(文責 植物昆虫間相互作用グループ・園田 昌司)

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