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穀粒の胚乳の澱粉粒を簡単に観察する方法の解説です

[著者] 松島 良

[論文タイトル] 澱粉粒の簡便観察法の開発とその利用

[掲載論文] 応用糖質科学2:147-149

[使用した共通機器] ウルトラミクロトーム

[内容紹介]
澱粉は植物が光合成産物として合成するグルコースの多量体であり、米麦の可食部である胚乳の90%以上を占めます。澱粉は細胞内では不溶性で、アミロプラストと呼ばれる細胞内構造体内部に蓄積し、澱粉粒と呼ばれる1 – 50 μmの粒子を形成します。グルコースという同一成分から構成されているにもかかわらず澱粉粒の形状は植物種によって大きく異なることが知られています。しかし、澱粉粒の形状を規定している分子機構は全く分かっていません。本論文では、胚乳の澱粉粒の形状を観察するための方法について解説しました。特に私たちが開発した澱粉粒の簡便観察法についての詳細を記載しています。私たちはこの方法を利用して、澱粉粒の形状が野生型とは異なる突然変異体を単離しました。これらの変異体は、澱粉の物性に関して野生型とは異なる性質を示します。また、この変異体の解析は、澱粉粒の形状決定機構の解明につながる可能性を秘めています。
(文責 光環境適応研究グループ・松島 良)

関連リンク: 光環境適応研究グループ

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