プロテアソームの基質選択に影響する植物ストレス関連突然変異

[著者] Hayashi S, & Hirayama T.

[論文タイトル] ahg12 is a dominant proteasome mutant that affects multiple regulatory systems for germination of Arabidopsis

[掲載論文] Scientific Reports

[PubMedのURL]  http://www.nature.com/articles/srep25351

[使用した共通機器]  ImageQuant LAS4000 システム

[内容紹介]

植物は、環境の変化を機敏に察知しそれに適応することがわかっています。この過程でアブシジン酸などの様々な植物ホルモンが働いています。私たちは、このような植物ホルモンの機能を詳しく知るために、シロイヌナズナの発芽時にアブシジン酸応答が鋭敏化している変異株ahg12の解析を行いました。ahg12は、アブシジン酸とエチレンに高感受性を示す一方、発芽時の光応答には鈍感になるなど、多方面の複雑な形質を示します。研究の結果、ahg12は、タンパク質分解を通して細胞機能の制御に関わるプロテアソームの制御サブユニットを構成するRPT5の1アミノ酸残基を、置換していることがわかりました。この変異は、RPT5の機能に必要なATP分解活性を担う部分の外にありその意味は当初不明でしたが、詳細な解析の結果、分解されるタンパク質の取り込み部分に位置して基質の選択性に影響し、結果として発芽制御に関わる幾つかの因子の分解効率が低下していることが示されました。この研究により、植物のタンパク質分解による様々な制御の重要性と、プロテアソームのRPTタンパク質群の機能および構造について新たな知見が得られました。

(文責 平山隆志)

関連リンク: 環境応答機構研究グループ