イネが害虫を認識する仕組みの解析

[著者] Shinya T, Hojo Y, Desaki Y, Christeller JT, Okada K, Shibuya N, Galis I

[論文タイトル] Modulation of plant defense responses to herbivores by simultaneous recognition of different herbivore-associated elicitors in rice.

[掲載論文] Sci. Rep. (2016) 6:32537

[使用した共通機器] LC-MS/MS

[共同研究] 明治大学、東京大学、The New Zealand Institute for Plant &Food Research

[内容紹介]
植物が害虫から食害を受けた際に、植物は害虫を認識して様々な防御応答を誘導します。これまでの研究から植物の害虫認識には、食害時に生じる植物の「傷」と、食害部位で植物細胞と接触する害虫の「唾液成分(吐き戻し液)」が重要な役割を果たすことが知られていました。
今回私たちは、イネを食害する害虫であるクサシロキヨトウとイチモンジセセリを用いて、それぞれの吐き戻し液の成分の解析を行ったところ、2種の害虫の間で、防御応答を誘導する因子の組成に違いがあることがわかりました。また、クサシロキヨトウの吐き戻し液には少なくとも2種類以上の防御誘導因子が含まれており、植物はこれら因子を同時に認識することで、より強い防御応答を誘導することを明らかしました。
植物が害虫に対して防御応答を誘導する際、食害する害虫種により、応答の質(種類)や応答の量(強さ)が異なる場合があることが知られています。植物がどのように害虫種の違いを識別し、どのように防御応答の質・量が決まり適切な防御機構は活性化することができるのか、今後、本研究を発展させることで、詳細な分子メカニズムに迫ることを目指します。
(文責 新屋)

お問い合わせ先: 植物・昆虫間相互作用グループ