赤潮原因藻ヘテロシグマの増殖に対する随伴細菌の特異的な促進作用についての研究

[著者] Aiko Higashi, Yoshiko Fujitani, NatsukoNakayama, Akio Tani, and Shoko Ueki .

[タイトル] Selective growth promotion of bloom-forming raphidophyte Heterosigma akashiwo by a marine bacterial strain.

[掲載誌] Harmful Algae
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1568988316302086

[内容紹介] 瀬戸内海で夏季に見られる『赤潮』は、高密度まで増殖した植物プランクトンです。通常は多くの種類の植物プランクトンが入り混じって生息していますが、何らかのきっかけがあると、何種類もの赤潮原因藻のうち一種類だけが、急に増殖し始め、時に1mlあたり100万細胞まで増殖します。

赤潮の原因は、高水温や富栄養化が挙げられますが、この研究で、私たちは、赤潮原因藻の一種ヘテロシグマと共生する細菌 Altererythrobacter ishigakiensis YF1株を単離し、この細菌がヘテロシグマの増殖を促進し、最高細胞密度を増加させることを見出しました。この細菌は、ヘテロシグマと近縁とされる赤潮原因藻シャトネラの増殖には影響を与えませんでした。

以上の結果は、ある種の赤潮原因藻に対して特異的に増殖を促進するような細菌が、赤潮形成過程に見られる赤潮原因藻の一種に限局した急激な増殖と優占の原因である可能性を示唆すると考えています。(文責:萌芽的・学際的新展開グループ 植木 尚子)

[使用した共通機器] DNAシークエンサー

[問い合わせ先] 萌芽的・学際的新展開グループ 植木 尚子

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