母性遺伝するダイズのステイグリーン現象の解明

[著者] Kaori Kohzuma, Yutaka Sato, Hisashi Ito, Ayako Okuzaki, Mai Watanabe, Hideki Kobayashi, Michiharu Nakano, Hiroshi Yamatani, Yu Masuda, Yumi Nagashima, Hiroyuki Fukuoka, Tetsuya Yamada, Akira Kanazawa, Keisuke Kitamura, Yutaka Tabei, Masahiko Ikeuchi, Wataru Sakamoto, Ayumi Tanaka, and Makoto Kusaba

[論文タイトル] The Non-Mendelian Green Cotyledon Gene in Soybean Encodes a Small Subunit of Photosystem II

[掲載論文] Plant Physiol., 173: 2138-2147 (2017).

[共同研究]
全国共同研究・共同利用による共同研究
共同研究者
広島大学理学研究科・草場信

[使用した共通機器] 光合成蒸散測定装置、共焦点レーザー走査型顕微鏡、マルチストレス負荷型植物培養施設

[内容紹介]
ダイズの品種では、青ダイズと呼ばれ種子がやや緑色を呈する系統が知られており、それらの形質が両親からではなく、母親のみに由来する「母性遺伝」の現象が古くから知られていました。母性遺伝するのは、おそらく葉緑体に含まれるゲノムDNAの変異に起因すると考えられますが、その実態については長らく不明でした。本研究では、この原因を突き止める遺伝学的あるいは生理生化学的な研究を行い、葉緑体ゲノムにコードされたPsbMとよばれる、光化学系IIの1つのサブユニットに変異が起こることが原因であることを突き止めました。青ダイズは、種子だけでなく、子葉と本葉でも「ステイグリーン」の形質を示し、PsbMの変異による光化学系IIの構造変化がクロロフィル分解と関連していることが予想されました。(文責 光環境適応研究グループ・坂本 亘)

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