葉緑体の機能維持に重要な新奇GTPaseの発見

[著者] Ohnishi, N., Zhang, L. and Sakamoto, W.

[論文タイトル] VIPP1 involved in chloroplast membrane integrity has GTPase activity in vitro.

[掲載論文] Plant Physiol. 177 (1): 328-338 (2018).

[内容紹介]
VIPP1は、酸素発生型の光合成を行う生物(植物、藻類など)に広く見出されるタンパク質です。バクテリアの細胞膜修復に関与するPhage shock protein(PspA)と高い相同性を示すこのタンパク質は、葉緑体のチラコイド膜形成や光合成機能に関与すると考えられてきました。私たちは以前に、VIPP1が浸透圧、及び熱ストレス条件下において葉緑体包膜の機能維持に重要であることを明らかにしてきました。しかしながら、VIPP1の機能メカニズムについては不明な点が多く残されています。生体膜機能に関わるタンパク質にはしばしばGTPase活性が認められることから、VIPP1が同様の性質を保持していると推測されたので、本研究ではGTPase活性に焦点を絞ってVIPP1タンパク質の生化学的性質を解析しました。大腸菌大量発現系によりヒスチジンタグを付与したVIPP1(VIPP1-His)を調製しGTPase活性を測定したところ、代表的なGTPaseの1つであるdynaminと同等の活性が検出されました。更に変異型VIPP1-Hisの解析から、この活性にはN末端領域を介した多量体化が重要であることを明らかにしました。(文責 光環境適応研究グループ・坂本 亘)

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