ミナトカモジグサ由来ジアデノシンポリリン酸加水分解酵素の構造と特性を解明

[著者] Tanaka, M., Iamshchikov, I., Kato, Y., Sabirov, R., Gusev, O., Sakamoto W., and Sugimoto, M.

[論文タイトル] Structure and Molecular Characterization of Diadenosine Polyphosphate Hydrolase in Brachypodium distachyon

[掲載論文] J. Plant Biochem. Physiol. (2018), 6: 220.

[内容紹介]
大気汚染により地上に到達する太陽紫外線量が増加し、その作物に対する影響が懸念されています。一方、火星や月での長期滞在には食料自給が必要になりますが火星や月にはオゾン層が存在しないため、太陽紫外線が植物にDNA傷害や酸化ストレスなどを引き起こすことが懸念されます。本研究では、毒性分子やシグナル分子を分解し、生物的・非生物的ストレスに対する応答・防御に重要な役割を持つことが明らかになってきているNudix hydrolase(NUDX)のうち、紫外線で誘導されるNUDXがミナトカモジグサに3種類あること、その一つが生体内のシグナル物質として、また細胞分裂時のDNA複製に機能する事が推測されているジアデノシンテトラリン酸(Ap4A)量を調節するジアデノシンポリリン酸加水分解酵素(BraNUDX15)であることを明らかにしました。BraNUDX15は長鎖ジアデノシンポリリン酸に基質特性を示し葉緑体に局在することから、BraNUDX15は植物が紫外線ストレスを受けた際に長鎖ジアデノシンポリリン酸を加水分解し葉緑体中のAp4AやATPの濃度調整を行い、ストレス応答反応に寄与している可能性が示唆されました。(文責 ゲノム制御グループ 杉本 学)

関連リンク: ゲノム制御グループ