日本のたかきび(ソルガム)が潜在的に持つ乾燥耐性の発見

[著者] Norikazu Ohnishi, Fiona Wacera W., Wataru Sakamoto

[論文タイトル] Photosynthetic responses to high temperature and strong light suggest potential post-flowering drought tolerance of sorghum Japanese landrace Takakibi

[掲載論文] Plant and Cell Physiology 60(9):2086-2099 (2019). doi: 10.1093/pcp/pcz107

[内容紹介]
日本で古くから雑穀の一つとして栽培される「たかきび」(または「もろこし」、「こうりゃん」)は、学術的には「ソルガム」と呼ばれます。ソルガムはアフリカ原産で、イネ、コムギ、トウモロコシ、オオムギに次ぐ世界第五の主要穀類で、乾燥に非常に強いことからアメリカをはじめとする世界各地の乾燥地域で栽培されており、近年ではスーパーフード、あるいはバイオプラスチック等の原料としても注目されつつあります。国内で栽培されるソルガムである「たかきび」は、アメリカの栽培品種と比べ湿潤な環境で栽培されていること、栽培開始と収穫時期がやや早いことなどから、それらとは異なる自然環境適応能力を持っていることが予測されました。日本のたかきびと、アメリカの代表的な系統であるBTx623について、強光・高温条件下での光合成活性をリアルタイム測定により調べたところ、BTx623の光合成活性は出穂後に低下していく一方であるのに対し、たかきびは、出穂後の方がこのような過酷な条件下でも光合成活性が低下しにくくなる、という性質を示しました。強光と高温の組合せは、干ばつの「入り口」とも言えます。従って、この結果からたかきびが出穂後に乾燥に強くなる性質を持っている、と考えられました。(文責 大西紀和・坂本 亘)

[使用した共通機器] マルチストレス付加型植物育成システム、光合成解析装置(Monitoring PAM)、附属農場温室設備

関連リンク: 光環境適応研究グループ