研究組織

植物レジリエンス研究グループ

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教員

 

教授: 木羽 隆敏 Prof. Dr. Takatoshi KIBA
E-mail: kiba@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
専門分野: 植物栄養学、植物分子生物学

主な研究テーマ

窒素は植物の成長や生産性を左右する最も重要な栄養素の一つであり、近代農業は窒素施肥に大きく依存している。しかし、施肥された窒素の半分以下しか作物に利用されないため、環境中への流出が深刻な問題となっており、施肥量を削減するための植物科学的知見の創出が求められている。 もともと自然界では、窒素供給量は一般に低く、かつ時空間的に大きく変動しており、さらに温度や光、他の栄養素などさまざまな環境要因も同時に変動する。植物はこうした複雑に変動する環境に対応して生き延びてきたことから、そのような環境下でも窒素獲得・利用を最適化する仕組み「窒素環境レジリエンス」を持っていると考えられる。本研究グループでは、この仕組みの基盤となる分子機構を明らかにし、持続可能な農業の実現に資する知識基盤の構築を目指している。

1.植物の窒素不足および供給変動に対する応答機構
植物は、自然環境における窒素の不足や供給変動に応じて、窒素の獲得や利用を柔軟に調節する能力を備えている。本研究では、窒素の感知・情報伝達という観点から、窒素栄養状態に応じた遺伝子発現制御や生理応答の調節分子機構の解明に取り組んでいる。
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2. 窒素応答と各種ストレス応答の統御機構
自然環境では、窒素栄養環境に加え、温度や光、他の栄養素など複数の環境要因が絶えず変動している。植物は、成長や生存を最適化するために、これら複合的な環境要因に対する応答を総合的に調整している。本研究では、窒素応答と各種環境ストレス応答の統御機構について、分子生物学的および生理学的解析を通じて明らかにすることを目指している。
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Latest publications (for complete and most current publications visit group pages)

(1)Ortega-Villaizán A.G., King E., Patel M.K. Pérez-Alonso M.M., Scholz S.S., Sakakibara H., Kiba T., Kojima M., Takebayashi Y., Ramos P., Morales-Quintana L., Breitenbach S., Smolko A., Salopek-Sondi B., Bauer N, Ludwig-Müller J., Krapp A., Oelmüller R., Vicente-Carbajosa J. and Pollmann S. The endophytic fungus Serendipita indica affects auxin distribution in Arabidopsis thaliana roots through alteration of auxin transport and conjugation to promote plant growth. Plant Cell Environ. 47: 3899–3919. (2024.5)
(2)Uragami T., Kiba T., Kojima M., Yumiko T., Tozawa Y., Hayashi Y., Kinoshita T., and Sakakibara H. The cytokinin efflux transporter ABCC4 participates in Arabidopsis root system development. Plant Physiol. 197: kiae628 (2024.12)


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