研究所紹介

所長からのメッセージ

資源植物科学研究所長
馬 建鋒

当研究所は大正3年(1914年)、大原孫三郎氏によって設立された「財団法人大原奨農会農業研究所」を前身とし、時代の変遷とともに幾度かの改組を経て、現在では植物科学に特化した「資源植物科学研究所」として発展してまいりました。110年におよぶ歴史の中で、我が国の農業科学の礎を築いた数多くの偉人を輩出してきました。現在では世界トップクラスの研究成果を数多く挙げており、国際的にも高い評価を得ている植物研究所として認知されております。Clarivate Analyticsの調査によれば、植物・動物科学分野における岡山大学の国内順位は第5位ですが、この評価の多くは当研究所の研究成果によるものであります。

研究所の創設時の理念「深遠なる学理を研究し之が実際的応用に依る農事の改善」は、その方向性こそ不変ながらも、現代においては新たな課題に直面しております。地球規模の気候変動により、作物生産は温暖化や干ばつ、洪水、農地の重金属汚染、土壌養分の異常など、かつてない脅威に晒されております。世界の人口増加に伴う食糧問題の解決に向け、植物科学の研究機関としてこれらの課題に取り組むことが我々の使命であります。このため、研究力のさらなる向上と国内外の研究機関との連携強化を図り、当研究所ならではの独創性の高い研究成果を創出してまいります。

当研究所は2009年、文部科学省より「植物遺伝資源・ストレス科学研究拠点」に認定され、これまで全国の大学・研究機関と幅広く共同研究を実施して参りました。さらに岡山大学は「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-peaks)」に採択され、当研究所はその植物科学分野の中核を担っております。近く高額研究機器の更新を予定しており、これらの設備を活用した更なる共同研究の推進に努めてまいります。

また、当研究所は大学院教育にも力を入れております。これまで日本全国はもとより世界各国から優秀な大学院生が倉敷に集い、多くの優れた人材を輩出してきました。今後とも国内外から優秀な学生を迎え、研究所における一流の研究環境を通じて、国際的に活躍できる人材の育成に尽力してまいります。 植物研が真に一流の研究・教育機関となるべく、所員一同全力で取り組んでまいります。皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。

所長 馬 建鋒

 

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