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植物ホルモン応答に関連するRNAエディティング因子の同定とその標的の決定

[著者] Murayama, M., Hayashi, S., Nishimura, N., Ishide, M., Kobayashi, K., Yagi, Y., Asami, T., Nakamura, T., Shinozaki, K., Hirayama, T.

[論文タイトル] Isolation of Arabidopsis ahg11, a weak ABA hypersensitive mutant defective in nad4 RNA editing

[掲載論文] Journal of Experimental Botany (published online July, 21, 2012)

[共同研究] 横浜市大、九大、東大、理研

[使用した共通機器] 共焦点レーザー顕微鏡、シークエンサー、ゲル撮影装置

[内容紹介]
植物ホルモンの一つアブシジン酸は、植物が劣悪な環境下で生育する場合の応答で重要な役割を担っています。私たちは今回、このアブシジン酸への応答に異常が認められるシロイヌナズナの変異株を新たに5つ選抜し、そのうちahg11, ahg12, ahg16の遺伝子座の染色体上の位置を決定しました。さらにAHG11遺伝子の同定を行い、RNAエディティングを行うPPRタンパク質をコードしていること、ahg11変異株ではこのタンパク質が機能しないことを明らかにしました。また、このPPRタンパク質の標的RNA分子探索を、九州大学の中村博士らにより開発されたPPRコードを用いた推測と実際の配列調査により行い、ミトコンドリアでの呼吸に関わるタンパク質複合体を構成するNAD4のmRNAであることを突き止め、正常にエディティングが起きない場合発芽時に活性酸素種が蓄積されることを示しました。これにより、アブシジン酸応答とミトコンドリア機能との関連の重要性を示す新しい知見を提供しました。
(文責 環境応答機構研究グループ・平山 隆志)

関連リンク: 環境応答機構研究グループ

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