新着情報

メチロバクテリウム属細菌の比較ゲノム解析

[著者] Ola Alessa, Yoshitoshi Ogura, Yoshiko Fujitani, Hideto Takami, Tetsuya Hayashi, Nurettin Sahin, Akio Tani

[タイトル] Comprehensive comparative genomics and phenotyping of Methylobacterium species

[掲載誌] Frontiers in Microbiology, 06 Oct 2021.
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2021.740610/full

[内容紹介]
Methylobacterium属細菌は植物葉圏の主要な共生細菌で、植物が放出するメタノールを利用して生育しています。本属細菌には、近年一部Methylorubrum属として再分類された種を含めて63種が知られており、メタノールの資化性やピンク色の色素生産などを共通の性質として持っています。しかし約半数の種のゲノム配列はまだ解読されておらず、様々な種が持つ異なる性質をそれらが持つ遺伝子レパートリーで説明することが出来ていませんでした。本研究では残りの半数のゲノム配列を決定することで、本属細菌の全ての種についてゲノム情報を整備し、遺伝子構成及びその配列による比較と種の分類を行いました。結果として、本属細菌は大きく3つのグループに分かれますが、Methylorubrum属とされた種は属レベルで独立するほどは他の種と違わないこと、メタノールの資化に関わる遺伝子はほぼ保存されていますがランタノイドに依存したメタノール酸化系がより良く保存されていること、それぞれのグループで異なる遺伝子構成を持つことなどが明らかになりました。(植物環境微生物グループ・谷 明生)

[使用した共通機器] DNAシーケンサー

お問い合わせ先 植物環境微生物学グループ
谷 明生

Back to Top