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ゲノム編集技術によるオオムギ種子の発芽制御

[著者] Hiroshi Hisano, Robert E. Hoffie, Fumitaka Abe, Hiromi Munemori, Takakazu Matsuura, Masaki Endo, Masafumi Mikami, Shingo Nakamura, Jochen Kumlehn, Kazuhiro Sato

[論文タイトル] Regulation of germination by targeted mutagenesis of grain dormancy genes in barley

[掲載論文] Plant Biotechnology Journal 20: 37-46 (2022) doi.org/10.1111/pbi.13692
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pbi.13692
PubMedのURL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34459083/

[内容紹介]
 岡山大学資源植物科学研究所およびドイツ・ライプニッツ植物遺伝作物学研究所の国際共同研究グループは、ゲノム編集技術CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)法によって種子休眠性遺伝子への変異導入に成功し、種子休眠が長くなったオオムギを開発しました。これらの成果は、英国の植物バイオテクノロジー専門誌「Plant Biotechnology Journal」のResearch Articleとして2022年1月号に掲載されました。
 ビールやウイスキーの原料となる醸造用オオムギは、種子休眠が短く一斉に発芽する品種が選ばれてきました。一方で、日本などの収穫期に雨の多い地域では、休眠が短い品種が収穫前に発芽してしまう「穂発芽」が発生し、品質低下などの農業被害が出てしまいます。オオムギの生産や醸造業にとって、種子休眠のバランスは非常に重要です。本研究成果によって、ゲノム編集技術を活用してオオムギの種子休眠の長さを調節する可能性が示され、穂発芽に強く醸造にも適した品種の開発が期待されます。

[共同研究] 2017年度 植物研・国際共同利用共同研究拠点

[使用した共通機器] 省エネ型組換え温室

[お問い合わせ先] ゲノム多様性グループ 久野裕 hiroshi.hisano [at] okayama-u.ac.jp

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