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Methylobacterium属細菌が作るランタノイドを溶解するシデロフォア

[著者] Juma, O.P., Fujitani, Y., Alessa, O., Oyama, T., Yurimoto, H., Sakai, Y., Tani, A.

[論文タイトル] Siderophore for lanthanide and iron uptake for methylotrophy and plant growth promotion in Methylobacterium aquaticum strain 22A.

[掲載論文] Front. Microbiol. 13:921635 (2022)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2022.921635/full

[使用した共通機器] ICP-MS, DNAシーケンサ

[共同研究] 京都大学大学院農学研究科、京都大学大学院理学研究科

[内容紹介]
植物葉面の主要な共生細菌であるMethylobacterium属細菌は植物が放出するメタノールを利用しています。メタノールの代謝を行うメタノール脱水素酵素にはカルシウム依存のものとランタノイド依存の2種類があります。これらの遺伝子発現はランタノイドの有無によって制御されています。ランタノイドは土壌では不溶性の塩を形成しており、細菌はそれを溶解していると考えられます。一方、鉄も土壌では不溶性であり、それを溶解する物質であるシデロフォアは細菌と植物との共生、および植物への鉄の供給に重要であると考えられています。本研究ではM. aquaticum 22A株におけるシデロフォアの役割を遺伝学的・生理学的に解析しました。シデロフォアはやはり植物への鉄の供給に役立っており、またランタノイドを溶解することが出来ること、またそもそもメタノールでの生育に重要であることが分かってきました。(文責:植物環境微生物グループ・谷 明生)

お問い合わせ先:植物環境微生物グループ・谷 明生

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