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Methylobacterium属細菌におけるペリプラズムでのランタノイド結合タンパク質の性質

[著者] Fujitani, Y., Shibata, T., Tani, A.

[論文タイトル] A periplasmic lanthanide mediator, lanmodulin, in Methylobacterium aquaticum strain 22A.

[掲載論文] Front. Microbiol. 13:921636. (2022)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2022.921636/full

[使用した共通機器] ICP-MS, DNAシーケンサ、BioZero、FV-1000

[共同研究] AB SCIEX(企業)

[内容紹介]
植物葉面の主要な共生細菌であるMethylobacterium属細菌は植物が放出するメタノールを利用しています。メタノールの代謝を行うメタノール脱水素酵素にはカルシウム依存のものとランタノイド依存の2種類があります。これらの遺伝子発現はランタノイドの有無によって制御されています。この制御にはランタノイドがシデロフォアによって溶解され、細胞外膜のTonB-dependent receptorによってペリプラズムに取り込まれ、さらにABC transporterによって細胞内へ運ばれる必要があります。ランタノイド存在下で発現が誘導される遺伝子の一つに、ランタノイドを結合すると考えられるランモジュリンタンパク質が知られていますが、その機能はよく分かっていませんでした。本研究ではランモジュリンの遺伝的・生理学的解析を行っています。ランモジュリンタンパク質はランタノイドを結合して構造変化を起こします。ペリプラズムに局在し、MDHの発現調節を行う二成分系シグナル伝達経路とTonB-dependent receptorの影響下にあること、遺伝子欠失するとペリプラズムにランタノイドが蓄積することなどが分かりました。また直接あるいは間接的にランタノイドの取り込み及び排出に関わっていることが分かってきました。(文責:植物環境微生物グループ・谷 明生)

お問い合わせ先:植物環境微生物グループ・谷 明生

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