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植物発酵エキスがマイクロプラスチックを体外へ排除する可能性を確認

[著者] Sugimoto, M., Murakami, N., Obayashi, M., and Murakami, T.

[タイトル] Potential of Fermented Plant Extract for Removing Microplastics in Artificial Gastric and Intestinal Juices

[掲載誌] Current Nutrition and Food Science (2025), 21: 1085-1089.

[内容紹介] マイクロプラスチック(直径150μm以下)が人体に取り込まれる可能性が指摘されており、血栓形成促進や臓器不全の誘発等健康への悪影響が懸念されています。今回、植物発酵エキスと直径106-125μmのマイクロプラスチック粒子100 mgを人工胃液や人工腸液中で37℃、1時間振とうした結果、植物発酵エキス10, 5, 2.5, 1gでマイクロプラスチック結合量がそれぞれ人工胃液で73, 74, 63, 31mg、人工腸液で45, 55, 43, 16mgとなりました。人工胃液中では人工腸液中よりも高い結合を示したことから、植物発酵エキスに含まれる物質がマイクロプラスチックとイオン相互作用により結合することが考えられました。対照的に、食物繊維であるセルロースと難消化性デキストリンはほとんどマイクロプラスチック粒子と結合しませんでした。
本研究成果は、マイクロプラスチックを体内から排除できる物質が植物発酵エキスに存在することを示し、今後マイクロプラスチックに結合する物質を明らかにすることで、効率的にマイクロプラスチックを排除できるサプリメント等の開発に応用できるものと期待できます。(文責 杉本 学)

[共同研究] (株)機能性食品開発研究所

関連リンク:環境機能分子開発グループ

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