シラゲガヤの酸性土壌耐性機構

[著者] Chen, Z.C., Yokosho, K., Kashino, M., Zhao, F.J., Yamaji, N. and Ma, J.F.

[タイトル] Adaptation to acidic soil is achieved by increased cis-acting element numbers regulating ALMT1 expression in Holcus lanatus

[掲載誌] Plant Journal, DOI: 10.1111/tpj.12266 (2013)

[内容紹介] シラゲガヤ(白毛茅)は、ヨーロッパで牧草として利用されている多年生のイネ科植物で、pHの低い酸性土壌でもよく生育できます。本研究では、その強い酸性土壌耐性機構について研究を行いました。酸性土壌によく適応するシラゲガヤ系統を中性土壌から採取した系統と比較した結果、酸性土壌の低pH耐性には違いがなく、アルミニウム毒性に対する耐性が異なっていることを突き止めました。また、その耐性の違いは根から分泌されるリンゴ酸の量によることを明らかにしました。リンゴ酸の分泌に関与する遺伝子HlALMT1を単離したところ、両系統間で遺伝子の配列には差が認められませんでしたが、発現量に2倍以上の差がありました。さらにその発現量の違いは、HlALMT1遺伝子のプロモーター領域にあるシス因子の数に起因することを突き止めました。つまり、酸性土壌に良く適応する系統はプロモーター領域に転写因子であるARTと結合するシス因子の数が多く、HlALMT1の発現を高め、その結果、リンゴ酸の分泌が多くなり、アルミニウムを無毒化する力が強くなります。(植物ストレス学グループ・馬 建鋒)。

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