ラフィド藻綱に属する赤潮原因藻ヘテロシグマのミトコンドリア・ゲノム上に存在する、ユニークな超可変タンパク質コード領域についての研究

[著者] Aiko Higashi, Satoshi Nagai, Paulo Salomon, and Shoko Ueki

[タイトル] A unique, highly variable mitochondrial gene with coding capacity of Heterosigma akashiwo, class Raphidophyceae.

[掲載誌] Journal of Applied Phycology
http://link.springer.com/article/10.1007/s10811-017-1142-2

[内容紹介] この論文は、先にBiology Letters に発表した、赤潮原因藻ヘテロシグマのミトコンドリア・ゲノム配列上に存在する超可変領域の配列について、さらに研究を進めた結果について報告しています。この配列は、地域特異性を示すため、株の由来水域を特異呈するのに使える可能性があります。さらに詳しく調べたところ、たとえば、南大西洋(ブラジル・リオデジャネイロ)や、赤道付近(シンガポール)の株と、北半球低緯度地方産の株については、配列の地域特異性は認められませんでした。また、日本沿海の6海域について、この株の配列を調べたところ、このように比較的近距離の水域については、配列の大きな違いは見られないことがわかりました。
今回報告したように、非常にバリエーションに富んだDNA配列は、多くの場合、タンパク質をコードしない領域に見られます。しかし、この超可変領域は、mRNAに転写されていることから、タンパク質コード領域である可能性が高いようです。この遺伝子の産物であるタンパク質は、類似したタンパク質の報告が見られないユニークなもので、機能については見当がつきません。超可変配列ではありますが、保存されている配列も見られ、このような部分が本タンパク質の機能に重要な役割を持つ可能性が示唆されます。。(文責:ゲノム制御グループ 植木 尚子)

[使用した共通機器] ABI DNAシークエンサー

[問い合わせ先] ゲノム制御グループ 植木 尚子

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